グレイトフル・デッドの名前の由来の民話:Grateful Dead - The History of a Folk Story


I heard the story of the Grateful Dead from Jerry Garcia himself in a TV interview.Apparently they were sitting around,brainstorming about a new name for the Warlocks,as they were then called. Jerry said he had some kind of encyclopedia or dictionary of folk themes in literature.As he thumbed through the book absently,he said,the term"The Grateful Dead" "seemed to leap out"at him.(His very words-I'll never forget it),with a reference to this book by Gerould.Some kind of search ensued,and they found an old copy(after deciding to take the name for their band).This is that very book.

グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシア本人がTVのインタビューでこう言ってたよ。旧称Warlocksにかわる新しい名前にしようってみんなでブレインストーミングしている最中に、民話のテーマに関する事典か辞書があったのでジェリーがペラペラめくってたら「The Grateful Dead」という文字が目に飛び込んできたらしい(「あれは一生忘れられない」―本人談)。そこの参考文献にGerouldの本があったんで(バンドの名前にすることに決めてから)探してみたら昔の版が見つかった。それがこの本。- Daniel L. Sweet, Amazon "The Grateful Dead - The History of a Folk Story" review

420普及の立役者としてデッドの名前が出てきたので、あの由来を少々。

「The Grateful Dead」は、霊が手厚く弔ってくれた者に恩返しする民話「感謝する死者」から来ている。世界中に百通りも存在する話だが、定型はこうだ。


ある旅人が村を通りかかると、借金を抱えたまま死んで、誰も弔おうとしない遺体があった。不憫に思った旅人は有り金を最後の1銭まで全部はたいて借金の穴埋めと埋葬代に充てるよう言う。そうして旅を続けていると途中でお供ができ、命を助けてくれたり、一攫千金を手伝ってくれたりする。でも相変わらず金銀財宝の分け前をくれと言われれば素直に折半してしまう旅人。無欲なことを見届けるとお供は満足し、宝を全部残して姿を消してしまう。それは弔いに感謝する死者の霊だった


古今東西どの宗教にも似た話はあって「坊さんのステマなんじゃ…」という疑念が湧かないでもないのだけども、まあ、弔いを大事にする心、無欲を尊ぶ心は万国共通なのね。

因みにイタリア版の「Fair Brow」は商人の息子が主人公だ。商売で独り立ちする旅に出た息子は、死者の借金を肩代わりして弔い、残ったお金で女奴隷(誘拐されて奴隷に身をやつしたスルタン朝の姫)を見受けして結婚、親に勘当されてしまう。しょうがなく女が描く絵を売って生計を立てるが、市場で絵を目に止めたトルコ人に姫を連れ帰られてしまう。で、海をとぼとぼ歩いていると魚釣りの老人がいて一緒に魚を釣ってるとトルコ人に捕まり、なんとスルタン朝に奴隷として売り飛ばされてしまって、のんきに歌ってると幽閉中の姫が「あの歌声は…」と気づいてガッシリ運命の再会。ふたり+老人は財宝を手に脱走しイタリアに戻る…という海を股にかけた一大活劇が展開するのだ! この老人が「感謝する霊」なんでござるよ。


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