仏法廷、ハッシュタグでユダヤ人差別する人のID開示をツイッターに命令:Twitter Ordered to Identify Racist Users Behind #unbonjuif

On October 19, 2012, Twitter turned censor. In response to complaints from the Union of French Jewish Students, Twitter pulled tweets that used the hashtag #UnBonJuif, or “a good Jew,” which had been worked into slurs and jokes, some using concentration-camp photographs as illustrations. The student union asked Twitter to reveal information that could be used to identify the offending tweeters. Twitter refused; the social-media company prides itself on its protection of free speech, and argued that taking down the individual tweets was enough. The student group took the case to court.

This week, Twitter lost.

It (#UnBonJuif) spun off from the hashtag #LaRafle, which had been the most popular trending topic in France the Monday prior. On Sunday, October 14, the national French TV channel TF1, considered the most-watched channel in Europe, aired the movie “La Rafle,” a conscientious reënactment, starring Jean Reno and Mélanie Laurent, of the roundup and deportation of thirteen thousand Jews from Paris on July 16 and 17, 1942.    More on  New Yorker

2012年10月19日、Twitterは検閲をやった。フランスのユダヤ人学生組合からの要請を受け、ユダヤ人の誹謗中傷・ジョーク・強制収容所写真の書き込みに使われていた「#UnBonJuif」(善良なユダヤ人)というハッシュタグのツイートを削除したのだ。組合はさらに差別的つぶやきを書いた人物が特定できる情報を開示するようツイッターに求めた。ツイッターは断った。うちは言論の自由の守り手として自負を抱いている、ツイートは各々削除したから十分ではないか、とソーシャルメディア会社のツイッターは反論した。学生団体は法廷に判断を仰いだ。

そして今週、ツイッターは敗訴した。大審裁判所(パリの民事裁判所)が木曜、反ユダヤ的コンテンツをつぶやいたユーザーを告訴できるよう、実名あるいは身元が特定できる情報を引き渡すべきとの判断を下したのだ。

[...]もしツイッターが2週間以内に情報を引き渡さないと、1日1000ユーロ(12.5万円)の罰金。110億ドル企業ツイッターにとってははした金だが、ツイッター側は、どっちみちサーバーは米国にあってフランス支社もフランス現地社員も雇ってないのでフランスの国法に従う義務はない…としている(ただし広告は仏国内で売ってるので、そこは問題になりそう。この先フランス現地社員を雇えなくなるのも問題)。 - New Yorker

(以下要訳)反ユダヤのツイートが起こったのは10月下旬。

ちょうどフランスTF1で2010年映画『La Rafle』(1942年7月16-17日に在仏ユダヤ人が一斉検挙されエッフェル塔そばの競輪場に収容されそのままアウシュヴィッツ送りとなったヴェル・ディヴ事件を描いた作品)を放映して700万人が視聴し、「#LaRafle」がバズった余波でユダヤ叩きのハッシュタグ「#UnBonJuif」が生成され、広まった。

ツイッターは2億人利用者の大半が米国外で、現地のルールとぶつかることもある。そこで現地政府からアカウント削除要請があれば、その国内では見えないよう対処する(国外では見れる)新方針を最近打ち出し、その施行第1号として10月にはドイツのネオナチをアカ停止にした。

仏ユダヤ人学生組合が削除・ID開示を要請したのは、その数時間後。

フランスでは昨年サルコジ大統領がヘイトやテロリストのサイトに行くこと自体を違法にしたので、おおっぴらに差別発言はできない。が、ツイッターは治外法権なのでヘイトが野放しになっており、他にも黒人差別、ゲイ差別、イスラム差別のハッシュタグもある。

ツイッターが敗訴したのと前後してフランスは「ハッシュタグ」という言葉自体も利用禁止にし、「mot-dièse(モ・ディーズ、#単語の意)」と改めた。Hが無音ってこともあるけど、ハッシュタグそんな風に使われてるのね…日本でもアメリカでもあるけども。



[New Yorker]

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