マネーをめぐる3つの実験:3 experiments with money - Financial Jesus




"These experiments show us, that just like in other things people can at times be irrational when it comes to their money," says Financial Jesus.  Do you think you're different? Then, go on, take the challenge.


ビッグマック指数のエントリで参考にさせていただいたブログで、こんな興味深い実験を見つけた。これ、3つとも理屈で動ける人なんているんだろか?


3 experiments with money
by Roman German, Estonian blogger

- in Japanese

なぜ人はそんな行動をとるのか? その説明を試みる行動経済学は僕が大好きな学問領域だ。ここに紹介する3つの実験は、人が金とどう付き合うか理解を深めるため科学者たちが考案したものである。


1. 最後通牒ゲーム

100ドルのオファーがある。もう一人の被験者との配分は自分で決めなくてはならない。その分け前で相手がのめば、ふたりとも取り分は自分のものになるし、拒否されればふたりとも分け前はない。

この実験の狙いは、(経済理論が言うように)人間が本当に理性で物事を判断する動物なのか、そうでないかを見ることにある。

理性で物事を考える人は、額面がなんであれ、もらう金は喜んでもらうはずだ。だって、その額をのまなきゃ一銭ももらえないのが分かっているから。つまりAがBに「99ドル:1ドル」で分けると言ったとしても、Bはこれを受け取るべきなのだ。理屈の上では、0ドルよりは1ドルもらう方がまだいい。

現実はどうか?
ところが現実には30ドル切るオファーは通常拒否されてしまう。 なぜか? 提案が公平でないという判断が先に立ってしまうからだ。自分の取り分が小さいのに、相手がそれよりずっと多かったら(しかもその金は自分の金から行っているかもしれないのだ)、不公平ではないか。そんならケチな金もらって後でクヨクヨするぐらいなら最初からもらわない方がいいと、考えてしまうのだ。


2. 金銭価値判断の実験

次は、結構タフな実験だ。あなたなら;
(1)周りのみんなが5万ドル稼ぐ中で10万ドル稼ぐ方がいいだろうか? それとも
(2)周りのみんなが40万ドル稼ぐ中で20万ドル稼ぐ方がいい?

留意すべきルールはただひとつ。「どちらも生活費と物価は同じ」だということ。

みんなが選ぶのは?
理性の人は(2)のオプションを選ぶはずだ。そりゃ周りのみんなに比べたら少ない。が、なにしろ稼ぎは大きい。遣う金も2倍になる。が、蓋を開けてみるとほとんどの人は(1)のオプション ―つまり周囲よりリッチになる方を選ぶのだ。

科学者の中には、これひとつ見るだけで人間がいかに理不尽な生き物か分かるという人もいる。

僕はでも、その意見には反対だ。この実験は、人にとっては持ち金の大小より社会的地位の上下の方が遥かに重要な意味を持つ、ということを明確に示している。友だちより多い金か少ない金のどちらかひとつを選べと言われたら、前者を選ぶのが理性的判断というものだ(たとえ第2のオプションより合計額は小さくとも)。この実験でみんなの取る行動はマネー判断として見れば理に反するが、“人間としての判断”としては理に適っている。後者の方が前者より重いのだ。


3. 行列の実験

第1の人物) 行列に並んでいる。カウンターで「100万人目のお客様」となり賞金100ドルをもらう。
第2の人物) 別の場所で行列に並んでいる。目の前に並んでいた男が「100万人目のお客様」となって賞金1000ドルもらい、自分は「100万人突破後初のお客様」として賞金150ドルをもらう。

あなたなら、どちらがいい?
これも驚くべきことに、世の中の大体の人は第1のオプションを選ぶのである。つまり100ドルもらう方。マネーだけ見たらこの判断は良くない。だって50ドルの損が出るのだから。じゃあ何故みんな50ドル損すると分かってて、そちらを選ぶのか? もちろん100万人目の客になって賞金1000ドル獲得するチャンスがあったのに目の前でミスったと、後悔の気持ちを味わいたくないからだ。


実験が示唆すること

以上の実験で分かるのは、人間はどんなことでもそうだが、マネーが絡んでも全く同じで、時として理屈では考えられない判断をしてしまう生き物だということだ。人生にはマネーより大事な状況もあるのだ。そこんところを経済学者は理解しておく必要がある。経済(株市場)を語る際には、経済というのは、マネー的には自分のタメにならない金融判断をまま下してしまう凡人で成り立っているのだな、ということを肝に銘じておかなくてはなるまい。

人がこうした判断を下す場と領域を探し、自分のカードを正しく切れば、マネーは自分のものだ。


[3 experiments with money | Financial Jesus]

Comments

  1. 間違いではないですか?

    原文で、二番目の質問において理性ある人が選ぶのは2番とあるようですが…。

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  2. ありゃま! 番号直しました、thanks!

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