If each one of us starts writing 200K books, who is gonna read them? Even the author himself couldn't finish reading them in his lifetime!
書いた本人だって一生かかっても読みきれないんじゃ? と心配してしまうのは、この動画の声のフィリップ・M・パーカー(Philip M. Parker)INSEAD教授。
氏が書いた本はこれまでに20万冊を超える。名実共に「地球史上最も多くの本を出版した人」だ。
…と言っても資料集めは氏独自開発のアルゴリズムで処理している。コンピュータ60~70台+プログラマー7人任せで、氏は集まってきた情報を本にするだけ。しかも本作りで一番面倒なレイアウト組みやら脚注やら目次やら紹介文やらの反復作業は全部自動化してしまったので、情報を流し込むだけで本ができる状態に近い。
動画では「米国内の売上高を基に全世界の精神病治療薬に対する潜在需要を推計せよ」という仕事をコンピュータに与えている。「AI(人工知能)をほんのちょっと使うだけで、コンピュータ・プログラムはこういう研究の担当者の思考を真似ることができるんです」 、「しかし研究に何ヶ月も費やすのではありません。コンピュータなら13分で作業が完了できます」と氏。
本は大体150ページで、電子書籍かオンデマンド出版なので売れ筋でも大体何百部といったところだが、こんな風に過去売上実績から複雑な演算を処理して将来売上げ予想を出し、ワードに取り込んだりできるようコンピュータを鍛えてしまったので、新刊と言っても作るコストはたった12セントの電気代だけ。氏はこれで充分儲けを出してる。
分野はニッチもニッチ、ニッチの限界を超えており、『6×9フィート以下の洗浄可能な浴室用絨毯の2007年~2012年市況予想』(144ページ、495ドル)とかいう本まである!
こんな本に5万円も出す人いるんかい?と思うが、それは氏自身も「興味ある人が世界に1人しかいないような本だ」と認めている。でも、13分で終わるなら「売れるんだろか?」と悩む暇もないというわけね。
氏の会社Icon Group Internationalのこのアプローチを、NYタイムズは「ワーストセラーを何万と積み上げることで、それなりの売上げを生む出版のロングテールだ」と評している。アマゾンのオンデマンド出版社の人も「絶版本の復刻版が多いオンデマンドでは極めて異色」と興味を示しているようだ。
まあ、これなら『立花隆秘書日記』みたいな本が出ることもないだろうしね。あと、超マイナー言語にも対応できるらしいので、日本語×英語がクロスな出版分野への応用にも要注目、ですね。
[He Wrote 200,000 Books (but Computers Did Some of the Work) - New York Times]
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