マイクロソフト&グーグル&ヤフー就職体験記:Microsoft Google Yahoo Stories

He can be Yahoo's Scoble...:) Great read.

先週おもしろかったのは、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校から出た社会人1年生が書いたサーチ大手3社インターン&就職巡りの記録「My Microsoft Google Yahoo Stories」。あんまり深い仕事の話は書いてないからベテランから辛口なコメントもついてるけど、新卒にしか書けない文章って、あるよね。

気になったところだけ拾っとこう。


マイクロソフト

1年のときからACMのWindowsプログラミング学生グループに所属、最後は会長を務めた。前任者が後釜探してるって友人(現MS研究所勤務)にきいて、「XBoxタダでもらえるんなら」と3人でディナー(MSのツケ)して決まった仕事だ。報酬はいい。XBox、ポケットPC、ソフトなんかの玩具を学生や教授の研究プロジェクト用にタダで配ってMSのグルーピーを養成するのも仕事の一部だから、学生からは無料XBoxおねだりのメールがよく来た。

XBox勝ち抜き戦、インストール祭(WindowsやVisual Studioの無料設営会)、プログラミング・コンペなんかのイベントやって、高級イタ飯に学生のリーダーを連れ出して経費でおごったり。シアトルも行ったけどクライマックスは何といってもブラジル1週間だ。これは高級ホテルでパーティー三昧して朝4時にルームサービスとったりして豪遊した。プライベートジェットでイグアス滝も見物したし。

でも良いことは永続きしないもので(僕らの金遣いが荒かったせいか)SC制度は廃止になって学生アンバサダープログラムになってしまった。あれは思うに、17歳がやる仕事としては最高の仕事だった。


MSインターン時代

学生コンサルということでMS採用担当から声がかかり本社まで面接に飛んだ。ウェブプラットフォームのチームに会って、Visual Studioの次の次の次のバージョンをやってるチームに会って…丸1日缶詰でオフィスを引きずり回されたよ。

面接は上首尾だったけど最後の面接官の質問には参った。malloc() とか free()とか。メモリーロケーションの有無なんて頭に残る方がおかしいって。及第点の答えを出したつもりだけど面接官はもっと良い答えを知ってるげに見えた。

こうして晴れてMicrosoftプロジェクトのSEになれたわけだけど実言うと面接は二度目。1年生の時にはニベもなく落とされてる。やはり「プログラミングで一番厄介だったバグは何ですか?どう解決しましたか?」ときかれて「僕のプログラムにはバグがありません」と答えたのはまずかった。

2004年夏はモトローラを蹴ってMSへ。レッドモンドの美しい本社に向かうときはドキドキした。長く親元離れるのは初めてだったけど社宅は快適でみんな親切だった。メンター(相談者)には博士号の開発者がついてくれて、大規模会議のスライドで使う製品のコア機能の担当に。毎晩パーティーで、僕が住んでた16号棟脇のグランドには他チームの祝賀用の巨大テントも立っていた。たくさん製品があって毎日何かがローンチしてる、それがMicrosoftだ。

インターンは総勢約500人で交流イベントも盛ん。でもやはり忘れられないのは水辺にあるビル・ゲイツ邸に招かれてのBBQだね。とにかくすごい豪邸で90%は木立ちに埋もれて全容が見えないんだ。深夜にようやくビルGが登場するとインターンに握手攻めになって「MSの未来をどう位置づけるか?」とまるで記者会見だ。僕は、気さくに答えるゲイツの2フィート後ろにいたんだけど話は上の空で、そのやや擦り切れた普通の靴を眺めていた。世界一の金持ちが履く靴はどんなだろうとアレコレ想像を巡らしていたのだけれど、実際の靴はそのどれとも違っていた。

インターン交流はホワイトラフティング、フリスビー、(会議室のプロジェクターでやる)HaloトーナメントにTexas Hold’em、Mafiaは毎週末だ。正社員にはキュービクルじゃなくて個室があてがわれる。MSのインターンシップはとにかく最高。仕事は大変で残業もあったけど頭の切れる面白い人たちに大勢知り合えたし、ネットで有名なWindows開発者Raymond Chenは僕の研究プロジェクト用にスパムのコレクションをくれたよ。


Googleな夏

翌年の4月にはGoogleから夏期インターンの打診があって30分の電話面接を2回受け、片方の面接官だったエンジニアがメンターになった。無茶苦茶緊張したけど難問やショートプログラミングの出題のようなものはなくて質問は内容が実にいいんだ。今でも覚えているのは、「ある人が広告をクリックしました。何が起こりますか?」(←ブラウザ要求からサーバー接続、その先まで全ステップの名前を列挙した)、「不正クリックはどう検出しますか?」(←思いつく限りの方法を並べた)

チーム[社外秘]の担当は不正クリックの検出。これ言うとみんな面白がるんだけど、どこまで話していいかわからないので、この話はここでおしまいね。

インターンは大体がNASAエイムズの宿舎に住んでいる。よく見かける住人は武装した軍人、スカンク、暇なインターン、ゴキブリ。Googleのインターンは約100人でNASAのインターンが約200人といったところか。男女共用の学生寮みたいな雰囲気だけど周りには何もなくて各ゲートには警備がいてイチイチ行き先を尋ねてくる。

最初は一個一個ドア回ってBBQとか連れ出して友達になろうと思ったけど人数が人数なので数週間であきらめた。何もすることがなくてブラブラしてるインターンもいたし、週末みんなでベガスまで車で繰り出したこともあるね。

Googleにまつわる噂は、まあ、大体が事実さ。無料のグルメ社食は朝・昼・晩。その隣は台所で、シェフは皿に食事を盛りながら調理法や食材の説明をしてくれる。ありとあらゆる絞りたてジュースが揃っていた(以下略)。

てっきり通路でセグウェイ乗り回せるのかと思ってたけど、僕がいた夏の間は置いてなかったなあ。かわりにスクーターはあったけど僕が出社する頃にはビルにある3台とも鍵がもう無いんだ。「悪いことはしない」という社是も、ことスクーターに関しては例外だった。

すごいのは、しょっちゅう有名人や作家が講演にきて映画のチケットやら自著をくれること。素晴らしいプレゼンが目移りするほどあって、その気になれば朝から晩までギークなセレブ(ギークじゃないこともあるけど)のプレゼンにどっぷり漬かってられるんだよね。

無料のロゴTの棚にストックが入るとインターン専用のMLにすかさず通達が回って、ありとあらゆるビルからイナゴのようにインターンが押し寄せてきて上限2枚がアッと言う間に消えて無くなる。僕は幸いすぐ隣のビルだったからほぼ毎回2枚楽勝で、スーツケースが満杯になるまでもらった。

時々友だちを会社に呼ぶこともあった。一緒に食事して、ビリヤードやアステロイドやって、マッサージ専用椅子とかlovesacに座ったり、そこら中に転がってる玩具いじって遊ぶんだ。一度ラリーとサーゲイの休憩ルームに夜間まよい込んで彼のbop-itで遊んだこともある。てっきり普通のラウンジと勘違いしたんだよね。

青シャツの警備員はそれこそ社内いたるところにいる。全ビルのほぼ全ドアだ。まるで軍人みたいなもので、リクルーターが1ダースも警備員かき集めて、会社見学の子たちが社内をウロチョロしないようシッカリ見張れ、と指示出してるのは見ていて笑えた。近しくなった女性警備員の話では会社に誰もいなくなった夜間もビルを警備の人たちが監視してるということだった。Googleのものは全て社外秘で、常に監視カメラが見張ってる。


僕の将来はYahooに

卒業後はヤフーを就職先に選んだ。つい数ヶ月前までは大手検索エンジン3社中、就職希望先としては最下位だったんだけどね。大学の就職フェアでブースに寄って簡単な予備試験を受けたんだ。

翌日午後に面接だって言うんでペンとレジュメ余分に持ってって会議室で30分も待ったんだけど面接官にすっぽかされて。大学にヤフーがリクルートにくるのは初めて。それでも頭にきたね。もっと頭にきたのは大学のリクルーターに何度メール出しても返事がないことだ。ヤフー社内の友だちにも聞いてみたけど無駄だった。

それが何週間か経ってシリコンバレーに面接に何日か来いという話になった。マイクロソフトで一緒にインターンやった友だちがYahooハックデイのコンペで勝ってYahoo 社員 に問い合わせて採用責任者まで渡りをつけてくれたんだ。というわけで、サニーベール本社で丸1日半かけて面接やって今はこうしてデータマイニングのSDSのソフトウェアエンジニア、というわけ。

まだ働き始めてひと月ぐらいだけど職場環境はすごくいいよ。自分がもっているOS、アルゴリズム、データ構造の知識を、ヤフーの膨大な情報処理なら存分に発揮できるし、階下のカフェのバリスタもナイスだ。

Googleの非官僚主義がちょっと懐かしいけどね。Yahooでは課長の課長の上に部長が3人いて、さらにVPが3人いてやっとCEOだから。そうなんだよ、トップまで9回昇進しなきゃならないんだ。しかもネットで使うのは実言うと今もGoogleだったりする。

全ウェブから来る情報を膨大な数のサーバーに保存して死ぬほど処理する仕事なんだけど、チームの仲間はとてもクールで僕の性には合っている(求人募集中だよ!)。こないだYahoo! Japanの人気検索タームを一覧にするツールを書いたけどトップの検索用語は一度も聞いたことない英語だったな。(以下略)

~3社比較早見チャート:「最大の脅威」=M「成長鈍化」、G「広告“後”」、Y「G」とある。必見。~


[...]1日8~10時間労働もザラだけども時間はあっと言う間に過ぎていく。傍目にはライバルが検索・メール・写真・地図の各分野で凌ぎを削っているように見えるかもしれないけど内情はそうでもなくて、ただクールなもの作りたい賢い開発者が大勢集まって、コード書いてるだけなんだ。□

[Tasty Research, via /.]

Comments

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  2. んー…インターンがない分、日本では4大卒でも会社が一から仕事を叩き込みますもんね。例えばアメリカでは修士号以上もってないと新聞社とか通信社は雇ってくれないけど日本では4大出てりゃ大体はOKでしょう? police beatも院で実地でやってから就職するアメリカ式というのも…

    あと、大気圏抜けて黄金のサークルに入ったら衛星軌道グルグルできるんだけどもナカナカそこに入るのは…ね。面白い反面、社交が苦手なジーニアスが読んだらヘコむコラムかなーと。

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  3. ちょっと言葉が足りなかったみたいです。
    大学の専攻が直接繋がるという意味で、
    価値があると思うんです。

    例えば有名私立の経済学部卒業して
    TV局のディレクターというケース。
    経済学が役に立たないとは言いませんが、
    番組と言えどもモノを作るわけで
    そのへんに問題があると思うわけです。

    これ関係で言うとブロードキャストデザイン。
    日本はアメリカに比べて圧倒的に遅れてます。
    理由は放送や映像関係の人達がやっているからで、
    デザイン畑から引っ張ってこないことにあります。

    僕自身アメリカが何でもいいとは思っていませんし、
    satomiさんの言うように一長一短はあると思います。

    ただ大学の意味を考えた場合は、
    アメリカ式の方がいいと思うだけです。

    長々と失礼しました。

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