
He says he picked up Howard Hughes in 1967 and would have received a will naming him an heir to 1/16 of his $2B fortune. The District Court in Nevada ruled the hand-written will was a forgery, but last year a retired FBI agent found new testimonials that support Melvin's claim (Investigation
I guess I now understand why Bill G. and Warren Buffett keep themselves busy giving away much of their estates. You can hear Melvin's voice here.
Photo courtesy of desertnews.com
こないだ「200年前をググる」から「やめてくれセリーヌ」でEnvyさんに「The Aviatorもあるよ」とオススメついでに、ちょっと気になってあの映画の主人公ハワード・ヒューズのことを調べて辿り着いたのが、この写真のメルビン・デュマーさん。
天文学的財産を抱えるヒューズは、放浪生活の時1ドル恵んでくれたガソリンスタンド店員に巨額の遺産を残した。そのラッキーな人が彼である。
ただし、この話には続きがある。彼の手にビタ一文渡っていないのだ。それどころかメルビンさんは「こんなありえない遺言書を偽造して…」と、ずっと世間に後ろ指さされてきた。
やっと昨年ベガスの組織犯罪捜査部門の長だった元FBI捜査官ゲリー・マグネースン氏が「30年前の彼の話は実は嘘じゃなかったのではないか」と新証言を掘り起こして本を出版
そう、“地球上の富を半分持つ男”の遺産相続争いは30年経った今も、まだ終わっていないのである。
モルモン遺言書事件
ヒューズが亡くなったのは1976年4月。遺体はミイラのような亡骸となって米国に移送された。
問題の手書きの遺書は(発見場所にちなんで「Mormon Will(モルモン遺言書)」と呼ばれる)ソルトレークシティの復元イエス・キリスト教会の机の上に見つかった。以下が遺産分与のくだり。
- 私ハワード・R.・ヒューズ亡き後、その遺産は以下のように分与するものとする。
- 第1に: 全財産の4分の1はマイアミのハワード・ヒューズ医学研究所に寄贈
- 第2に: 全財産の8分の1はテキサス大、ヒューストン工科大、ネバダ大、カリフォルニア大に
- 第3に: 全財産の16分の1は復元イエス・キリスト教会(モルモン教会)とデビッド・O・マッケイ師に
- 第4に: 全財産の16分の1は孤児院建造費に
- 第5に: 全財産の16分の1は全米ボーイスカウト連盟に
- 第6に: 全財産の16分の1はロスのジーン・ピータースとヒューストンのエラ・ライスに(前妻たち)
- 第7に: 全財産の16分の1はヒューストンのウィリアム・R.ルーミスに
- 第8に: 全財産の16分の1はネバダ州ガッボスのMelvin DuMarに
- 第9に: 全財産の16分の1は死亡時の側近に
- 第10に: 全財産の16分の1は全米学校奨学金に、スプルース・グースはロングビーチ市に
- 残りの財産は死亡時の所有企業のキーマンで分ける。遺産相続執行人にはノア・ディートリッヒを任命する。
- 1968年3月19日署名
- Howard R. Hughes (ソース:Wikipedia)
この遺書の存在が明るみになるやメルビンさんの元には報道陣がドッと押し寄せ、彼は「世界で最も著名なガソリンスタンド経営者」となった。ところが…
- 発見状況に不審な点がある(封筒からメルビンさんの指紋検出)
- 「遺書」と名のつくものは他にもあったが全部偽造だった
- ヒューズ氏のエキセントリックな性格から見て遺書を残すタイプとは思えない
「本当にたくさんの人が私をペテンか詐欺師と決め付け、まるで犯罪者のように扱ったのです」(メルビンさん、DesertNews.com)
富豪との出会い(メルヴィン・デュマー証言)
メルビン・E・デュマーさん(1944年8月28日生)は、アリゾナの砂漠でヒューズを車に拾った1967年12月の寒い夜のことをとても良く覚えている―。
それは浮気相手と家出した妻を、南カリフォルニアまで捜しに行く途中のことだった。メルビンさん(当時23歳)はベガス北方240kmのLida交差点の、売春宿コットンテイル・ランチを過ぎた辺りで用足しのため95号線の路肩に車を寄せた。時刻は夜11時。見ると路傍にヨレヨレの風体で男がひとり寝っ転がっているではないか。
腰まで髪を伸ばし何日も髭剃りしてない男はメルビンさんを見ると、ベガスまで乗せてくれと頼んだ。メルビンさんは「どうせ方向も同じだし」と気安く愛車シェビーの助手席に拾った。
道中ちょっと世間話をし、言われた通りにSandsホテルの裏口に降ろそうとしたら、男は小銭の持ち合わせがないと言う。メルビンさんはなけなしの小遣いをくれてやった。すると去り際、男は丁寧に礼を述べながら、自らをハワード・ヒューズと名乗ったが、メルビンさんはまるで本気にしなかった。
以上の証言をベースに富豪と貧民の奇妙な出会いを描いたコメディー映画が1980年の「Melvin and Howard 」だ。しかし現実のメルビンさんはコメディーとはかけ離れた人生を歩んできた。
「ヒューズ氏を砂漠で見つけた時、私の人生は永久に変わってしまいました。命を助けたお礼に1億5,600万ドルの遺産を約束してくれたのにペニー硬貨1枚もらえず、軽蔑され、健康を害し、一時は破産寸前までいったのです」(Las Vegas Review Journal-2004年4月号)その後、メルビンさんはカリフォルニアに行って奥さんを説得して連れ帰り、奥さんはウェイトレス、メルビンさんは炭鉱に通う平凡な毎日が続いた。最初のヒューズ邂逅から9年後、遺言状が見つかるまでヒューズ氏からは何の音沙汰もなかったという。
メルビンさんは腫瘍摘出手術、骨髄移植、放射線療法で物入りな状況が続いたが、今はユタ西部の小さな町で食肉輸送の自営をやりながら糊口をしのいでいる。幸い夫婦仲は円満だ。
本当か、嘘か
「1978年の訴訟で偽証言と証拠隠滅で遺産相続権を剥奪された」として今年6月12日、メルビンさんはヒューズ筆頭遺産相続人ウィリアム・ルミス氏と、ヒューズの企業複数のCOOを務めていたフランク・ゲイ氏をユタ地裁に提訴した。従兄弟17人と税務局が遺産分与してしまった後なので望みは薄いが、1億5,600万円と懲罰的損害賠償、利息の払い戻しを求めている。
以上が大雑把なあらましだが、みなさんはどう思われただろう? メルビンさんにはお金が入用な理由が五万とある。しかし、偽造なら指紋は残さないだろう。「謎の紳士が云々」という話もいかにも嘘っぽく、こんな大それたこと企てる人にしては随分お粗末という気がしてしまう。
では仮に本当だったとして何故ヒューズは、「命の恩人」とも呼べない、行きずりの赤の他人に、人生狂っちゃうぐらいの途方もない遺産を残したのか?
病気で大変なメルビンさんの窮状を知っていた? 気まぐれ? 親類縁者へのあてつけ? 道中ともに過ごした時間が格別な意味を持つものだったのか?
故人となっては知る由もないが、晩年ホテル最上階に篭って細菌と下界との接触を遮断した孤独な富豪と、地下何百フィートという炭鉱の暗がりで真っ黒になって生きつなぐ底辺の人間というのは掛け離れているようで、どこかで映し鏡のように共鳴するものなのかもしれない。
ユタのラジオで近況を語るメルビンさんはこちら。
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