美しさはカタチではない:Dove Evolution



これは今年アメリカの化粧品業界で最高の話題作「Dove Evolution」。この衝撃のCMについて広告業界紙 Advertising Ageがまとめた記事「YouTube動画の費用対効果(ROI)はスーパーボールCMより大きい」をシロー氏が昨日こちらで全訳されていた。Gigazineさんとメディア・パブさんも紹介されていた動画だけども、キャンペーンを仕掛けた製作側の意図が分かって、ものすごく面白い。因みにROIは3倍だそうだ。

みんな「フツーの女の子」書いてるけどもメイクだけであそこまでいけるんだから、女のワタシから見たらかなりキレイな子だ(32秒前後に注目)。それがフォトレタッチで台無しになって最終成果物はもうアニメのアバター。でも、これが現在ビルボードの使用にたえうる美の基準、なのだろう。

カタチはいくらでも作れる。貴女の美しさは、なに?

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Doveは日本でいうと花王とか牛乳石鹸だろうか。石鹸とシャンプーの「土台を磨く」系プロダクトが主力のメーカーだ。

女の子は顔かたちがどうあれ本来美しいもの。それが今の女の子は、化粧とフォトレタッチのダブル技で作り込まれた「女はこうあらねば」という非現実的な西洋の“美”のカタチ(動画の最終進化形ね)をメディアから繰り返し繰り返し刷り込まれた結果、そうなれない自分の顔かたちを否定し、美を否定し、自信を失っている。なれるはずがないのだ。そしてなれないのは貴女が美しくないからではない。動画を見てごらん。こんな歪んだ美の神話は元から破壊し、女の子本来の美しさと自信を取り戻さなくてはならない-。

これがDove社が進める「真の美しさキャンペーン(Campaign for Real Beauty)」の趣旨であり、YouTube動画はその第1弾。同社が今年設立した「Dove 自信向上基金(Dove Self-Esteem Fund)」(自分の容姿に悩みを抱える子たちを救う講演会など開催)に活動資金を集めるのが、その目的だという。

やるなあ、Dove。トイレの石鹸バー向かって「そうかそうか、君がそこまで考えていたとはねえ」としみじみ話しかけちゃったよ。「女の子はみんなキレイ」と言葉で言われても、女の子は納得しない生き物だからね。

以下はフォトレタッチ究極技コレクション。「これまでの私たちの努力はなんだったのよ!」、芸者さんからクレームが飛んできそうだ。



thanks for the link > gigazine

Comments

  1. かつてどこかのタイトルで「美人にはなれないけれど、キレイにはなれる」てのがあって、うまいこと煽るなーって思ってたのです。んで

    本筋とは違う視点で...^^
    ・80年代に流行ったスーパーリアル(セクシーロポットの空山基さんとか...)がエアブラシとマスクなしでできるようになてしまった。技術ってすごい。
    ・ピントさえあってれば、あとは絵心があるかないかの勝負。photoshopの性能がよくなると、レタッチの価格破壊がおこるかも...

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  2. コレ見るまで、こっちの新聞って写真うまいなー、思ってたんですよね。ニュアンスのある光、グラデーション、構図、あと目ね…。日本の「撮ったまんま」な写真とは根本的に違うから、撮り方のセンスかな?思ってたんですけど……。レタッチ?

    インタビューの対象をキレイに見せるのは礼儀の範囲で、シミ&シワ消したげないと怒る女優さんの話なんかも聞きますよね。でもseven degreesさんが前書いてた「
    ロイターのウソ写真でブログ界が大騒ぎに
    」なんか読むと、photoshopも素材間違えると大火傷だなー、思います、報道写真はまずいよね。

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