ワイヤレスブラとロイ・レイモンドの命日:IPEX


Go wireless. -This ad caught my eyes when I was away from my laptop for late summer vacation. I'm not a big fan of VS, but after the trip, I found out that Roy Raymond, founder of Victoria's Secret, committed suicide on August 26th 1993, by jumping off the Golde Gate Bridge... The story of Roy Raymond is available on The New Yorker.


 6日間の旅行中、一番目についた広告。
 ブラもワイヤレスの時代。IPEXというネーミングがうまい。

ビクトリアズ・シークレットはサンフランシスコ生まれのセクシー系ランジェリーブランドだ。全米900店舗で昨年売上高24億ドル超。カタログは「あなたは買わないでしょ」な男性クライアントにも支持が厚い。笑

会社は1979年、スタンフォード大MBAを出たロイ・レイモンド(Roy Raymond)が銀行から4万ドル、親類から4万ドルを借りて始めた。MBAのプロジェクトをそのまま実践して当たった珍しい企業である。

スタンフォード・ショッピングセンター第1号店は初年度50万ドルという驚異的な売上げを達成し5店舗に拡大。「アメリカの主婦の下着を変えた」カタログも評判となるが、'82年には資金繰りが悪化し、年間収益500万ドルの会社をThe Limited(現Limited Brand、本社・オハイオ州)に100万ドルで売却してしまう。

'84年には子供服で復活を試みるが、これも倒産。氏は400万ドルの負債を抱え込んで妻に迷惑がかからぬよう離婚、76,000ドルの納税通知が届いて3日後の'93年8月26日午前5時過ぎ、ゴールデン・ゲート・ブリッジから海に身を投じる。リーバイスのポケットの財布に残っていたのは現金わずか67ドルだった。(訃報)

人手に渡ったビクトリアズ・シークレットの方は'90年代ファッションショーにスーパーモデルを続々起用し急成長。'99年にはショーの模様をテレビ中継し、見そびれた人のためウェブで録画も配信、ネットを広告に活用する先駆企業となった。2004年登場の学生向け商品ラインPINKでも国内の若者の過半数が集うMySpaceにマーケティングの重点を置きMTVと提携するなど、ネット世代の抱き込みをスマートに進めている。

こんな広告に目が行くのもラップトップに触れなかったせい?
と思ったら、26日が命日だった。 



金門橋の自殺


Suicides on Golden Gate Bridge (Click to enlarge)

Seven Degreesが“特集”と呼んでくれたので橋の自殺について少し加筆してみよう。
金門橋は自殺の名所だ。1937年5月23日開通の10週間後には一人目が飛び降り、1995年6月には千人の大台に近づいたことから997人で自殺数のカウントを止めてしまった。これは1973年に500人目のカウントダウンで14人が挑戦し"500"と板書したボードを首から提げてジャンプする人まで現れたことの反省による(公式記録に残ったNo.500はLSDで飛んだコミューン居住者)。

現在までに推定約1,300人、2週間に1人が飛び降りている計算だが、中でも一番有名なのがロイ・レイモンドとされる。

上図は電柱の通し番号別に見た自殺数グラフ(拡大は地図をクリック)だが、氏が飛んだのは日の昇る東の方角だ。

サンフランシスコ市民が抱える恐怖症で最も多いのが「gephyrophobia(橋を渡ることに対する恐怖症)」というやつで、これはベイブリッジではなくゴールデンゲートブリッジが原因とされる。事実、イーストベイ住民がベイブリッジを遥々渡って市街を抜けノースベイ側のゴールデンゲートを死に場所に選ぶ事例は多いが、逆は聞かない。



なぜ金門橋なのか? 理由は3つ。
  1. 変な気を起こしたくなるほど美しい。左にエンジェル島、正面にアルカトラズ、藍い水しぶきの向こうには白い市街、振り向けば海が無限に開け、虹色に照り輝く霧は時として「天国の入り口」のような錯覚を引き起こす。
  2. ほぼ確実に死ねる。67m下の水面に達する頃には時速120km。平方インチ15,000ポンドの衝撃で内臓は一瞬にして破裂、水深350フィートの濁流に揉まれ溺死の可能性が大きい。過去生き残った人は26人。
  3. フェンスが異様に低い。当初の計画では高さ5.5フィートだったが最終設計は4フィートに下がった。「チーフエンジニアのジョゼフ・ストラウス(開通の翌年に心臓発作で死亡)が身長5フィートの小男だったから」という通説もあるが本当の理由は不明。
自殺の名所は他にもエンパイアステート・ビルディング、ミラノ大聖堂、エッフェル塔、ナポリの聖ピーターズ教会、シドニー・ハーバー・ブリッジなどあるが、どこもフェンスを建造後はゼロ近くまで減っている。GGBも自殺予防用バリアを張り巡らす話は1950年代からあるのだが、「アールデコの美しい橋に金網なんて」「高い」「効果がない」という反対が根強い。1970年に18案を見送った橋梁建設運営委員会は昨年8回目の正直で、予算200万ドル2ヵ年の影響調査に乗り出した。

過去200人以上の自殺を食い止めて表彰された橋の自警自転車パトロールKevin Briggsさんは、所持品を道に置く人をみかけたら「元気? 明日の予定は?」と声をかけ、返事がないと「なんか予定を考えてみようよ。それでダメなら、ここにはいつでも戻ってこれるから」と繋ぎ止めるんだそうだ。

2度飛んだ人は過去1人。Sarah Rutledge Birnbaumさんで2回目は助からなかった。


[New Yorker, Wikipedia]

Comments

  1. 糸へん企業って裏はそーぜつなのね。
    ちーん。
    VS、初めて見たのは94年トランジットのシアトルで。一緒にいた野郎共はハナヂ垂らしそうだったー:P Buy2! get1 free!!という広告につられて買ったよw

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  2. おかえりやす。
    Victoria's Secretねー。男にはわからない世界だ。逆に褌はアメリカ人にはウケないのだろうか?
    これもfree!!って感じだと思うが(笑)

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  3. >ハナヂ
    店内見ながら変なことしてる男は見たことアリマス。通販が強いわけだ。

    >褌
    thongはVCの十八番だけども男用は無いかな。笑 Bridgesバックリンクが切れてたので本文に入れて加筆したら、オマケの方が長くなってしまいました。

    ちゃめさんの橋ネタってどのページだろ…

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