政府からの召喚状、ツイッターがとった対抗策:Twitter's Move to Overturn WikiLeaks Subpoena Gag Order

Unlike other companies who may have secretly turned over user's information to the US government, Twitter successfully challenged a gag order in court and notified users with ties to WikiLeaks that their information was subpoenaed by the DOJ, giving them time to try to overturn the order by themselves.

Ryan Singel at Wired praises the move as "unprecedented.”

Who's idea was it?   E.B.Boyd at Fast Company assumes it might be Twitter’s general counsel, Alexander Macgillivray, "who comes out of Harvard’s prestigious Berkman Center for Internet and Society, the cyber law powerhouse that has churned out some of the leading Internet legal thinkers. The center was founded a little over a decade ago by none other than Charles Nesson, the famous defender of Pentagon Papers leaker Daniel Ellsberg."


米政府がユーザーの個人情報の提示を企業に求める場合、召喚状*には「この召喚状が来たことは誰にも口外してはならない」という緘口令がちゃっかりコンビでついてくる。だから、各企業とも「召喚状に応じる前にユーザーに通知しますよ」というポリシーは立派に持ってるのだけど、ユーザーには自分の情報の引渡しが行われたことすら全く知らされないものらしい(Wired)。

そういう意味で金曜ツイッターが、米政府にウィキリークス関係者のデータ提出を求められてる件を公表したのは例外中の例外で、「どうしてツイッターだけが?」と注目が集まっている。Fast Companyによると事実経過はこう。
最初の召喚状は12月14日、Twitterにファックスで届いた。1月5日、最初の召喚状発行にサインした判事自身がその公開を命じる新しい召喚状にサインした。これを受けTwitterは1月7日、召喚状に名前が出ているアカウント所有者の最低数名に通知を出し、「お客様からこの法プロセスを無効化する要請が行われた旨か、あるいは本件解決の報告がこない限り」10日以内に命令に応じる運びとなる、と伝えた
つまり召喚状を受け取ってからツイッターは発行元の裁判所に緘口令無効化の要請を出していたのね。こうすれば事前告知できるし、通知を受けた人には法的対抗手段を講じる時間的猶予が与えられる。また、間に立つ企業は政府とユーザーの板挟みから手っ取り早く足を抜くことができる。これは誰かやってそうで、これまで「大企業は誰もやっていなかった」と、Wiredは絶賛している。

情報提示を求められているのはジュリアン・アサンジ氏、ブラッドリー・マニング兵、アイスランドの国会議員ブリギッタ・ヨンスドティル女史、オランダのハッカー、米国のプログラマーらのIPアドレス、使用メールアドレスなどなど。通知を受けたアイスランドの国会議員は早速この件をつぶやき、召喚状の現物があちこちのサイトに載り、ニュースは世界に知れ渡り、そしてウィキリークスは弁護士を雇った(小林恭子氏の詳報)。なんも言わないで引き渡すのとは雲泥の差だ。

一体だれのアイディアなのか? Fast CompanyのE.B.Boyd記者は、こんなこと思いつくのはグーグルからツイッターに引き抜かれれた法務顧問Alexander Macgillivrayぐらいじゃないかって書いてる。氏の母校はインターネット法の頭脳を輩出する名門ハーバード大学バークマンセンターで、創設者は他ならぬペンタゴン白書のリーカー、ダニエル・エルズバーグを擁護したチャールズ・ネッソン教授。

ツイッターに召喚状が行ったということは、当然ほかの会社(特にブラッドリー・マニング兵が使っていたことが分かってるFacebook、メンバーのやり取りに利用されていたと思しいGメールのGoogle)にも行ってそうなものだけど、各社の取材に対し両社とも回答は控えている。仮にあったとしてもおそらく緘口令があるので口外なんかできない。聞くだけ野暮なのである。


*subpoena:捜査機関が裁判所から発行してもらう証拠品差押令状

[Fast Company, Wired]

Comments

  1. こんにちは!
    最初にtwitterが受け取った裁判所命令を訳してみました。
    http://tassaleaks.blogspot.com/2011/01/wljp.html

    "gag order"は緘口令と訳せばいいのですね!
    とても、ためになりました。

    subpoenaといろんな所で言われてますが、正しくはcourt orderのようです。
    "Subpoenas are essentially letters written by law enforcement officers, on official agency letterhead, and have not been reviewed or signed by a judge. The 2703(d) order in question was issued by a magistrate judge."

    引用:
    http://paranoia.dubfire.net/2011/01/thoughts-on-doj-wikileakstwitter-court.html

    via: http://rop.gonggri.jp/?p=448
    (Rop Gonggrijp自身のブログ)

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  2. subpoenaは捜査機関が裁判所から発行してもらう証拠品の捜査差押令状ですよね。データ提出要求・依頼・要請ではなく、強制処分なので企業は逆らません。

    それにgag order(あんま日本じゃ聞かない…とりあえず口語訳で誤魔化しました…汗)つけてたというのはちょっとビックリですよね…。―コメントありがとうございます!

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