iPhone 4電波障害、アンテナ設計者はこう見る:Antenna Designer Blogs on iPhone 4 Reception Issues

「ほら、iPhone 4はこう持たなくちゃな」あの写真がキャプ付きになった
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弘法も筆の誤り(WWDC基調講演)
Steve Jobs demonstrates the apparently incorrect way (c) DallasNews.com


I've been translating Gizmodo coverage of iPhone 4 antenna issues and Apple's response. Do you think it's really "a fact of life for every wireless phone" as Apple claims?   Maybe so.  Go and read what an antenna engineer, Spencer Webb, says. I personally feel they should include Bumper (or scotch tape) for free.

iPhone 4のアンテナバーが消えて電波が入らなくなる問題は、ジョブズが持ち方変えろと言うんでsokoちゃん練習中だ。わたしゃテープかバンパー($29の純正ケース)、無料で同梱すべきだと思うが。
FastCompanyは例の溝をテープで塞ぐ0.1円のDIY修理術を提唱
The $0.001 DIY iPhone 4 FIX (c) FastCompany

Apple iPhone 4 Antennas...

BY Spencer Webb, June 24, 2010

PC Magazineから今日電話があった。新型Apple iPhone 4の金属フレームを持つと受信強度が弱まる件(PC MagGizmodoEngadget)について記事を出すらしい。 あのフレームはジョブズ基調講演でAppleがアンテナシステムの一部と宣伝していたものだ。電話で記者に語った内容に若干の補足を加え、簡単にまとめておこう。

iPhoneのフレームは私も、WWDCのスティーブ・ジョブズ基調講演の最後にスライドショーで写真を見た。ステンレススチール製バンドは3箇所に溝がある。それもアンテナシステムの一部という説明だった。じっくり構造を分析する時間もなかったし、実機はまだ手元に届いてない。従ってPRのでっち上げか、本当にアンテナ構造の一部ということになるが、私の観察ではアンテナとして作動してるように見えた。

初代iPhone(私が今使ってるのはこれ)では、アンテナは背面のボトム近くにあった。ボトムにアンテナを覆うプラスティック製カバーが1枚あるので、見ればどこか分かる。私はこのエリアを手でカバーしないよう、持ち方も自分で考案した。上記リンク先のGizmodoの記事と似た持ち方だ。となると、ここでじっくり腰を据えて一考すべきは「何故アンテナは一番手で隠れる場所についてるのか?」。当然の疑問だ。

アメリカ連邦通信委員会(FCC)では、人体に吸収の恐れのあるハンドヘルド端末の放射エネルギー(電磁波)の量に厳しい規制を敷いている。我々はこれを「Specific Absorption Rate(SAR、比吸収率)」と呼んでいる。

昔、深さ3フィートの雪道のアップダウンを10マイルも歩いて登校した時代には、携帯アンテナは引っ張り出せるタイプのものだった。お陰でデザイナーも半波長アンテナの亜種が使えたし、エネルギー放射が最大になる部分を利用者の頭蓋から離れた場所に置くことができた。もちろん世のほとんどの人たちはそんなの必要ないと考え、アンテナを引っ込めたまま使った。しょうがないのでモトローラのフリップ式携帯なんかは第2のらせんアンテナまで装備し、引っ込めまま使う人には、そっちの予備アンテナに切り換わるようになっていた。が、そんなことよりも重要なのは、当時はまだSARのルールが施行されていなかった、ということだ。

やがてフリップ式携帯も一昔前のものとなり、携帯電話はモノリシック(1枚のストレート)になった。初期Treoみたいに、一部の携帯では電話の上端そばの昔ながらの場所にアンテナはあったものの、サイズは短いスタブ(切り株)に刈り込まれた。長いアンテナが切り株になり、切り株がコブになり、しまいにアンテナは携帯の長方形本体に内蔵となった。

問題はSARだ。アンテナをトップに残すと、ユーザーは頭にモロにアンテナを押し付ける格好となり、 体組織加熱を確実に起こしてしまう。そこで登場したのが、ボトム位置の携帯アンテナだ。

今製造されている携帯電話は事実上すべてアンテナはボトムに配置されている。ボトムなら、アンテナの放射ポイントも確実に頭から一番離れた場所になる。ボトムにアンテナを設置したのはアップルが最初ではないし、最後にもたぶんならないだろう。問題は、人間の手は耳より下についてるので、どうしても構えると自然にアンテナをカバーする姿勢になってしまうこと。デザイン判断としてこれが正しいわけないよね? では何故こんな解決困難な問題に陥ってしまったのかというと、それはFCCが悪い。

つまり、FCCのテストでは、人間の頭は携帯のそばに置かなきゃいけない決まりなのに、手は置かなくていいのだ!!    しかも製品化でパスしなきゃならないテストはFCCだけじゃない。 AT&T も自社ネットワーク携帯には独自の要件を設けており、アンテナ効率もそのひとつなのである。なんでそんなこと知ってるのかというと、AT&TネットワークのクアドバンドのGSM対応アンテナをデザインしたのが、この自分だから。このAT&TのテストもFCC同様、テスト運転中に手は携帯に置かなくていいのだ。

となれば当然、デザインは要件をクリアする方向に進化していくわけでして。―人間の手に持ったまま効率良く電波を転送・受信するという点は単にデザイン要件として、求められていないのだ!

OK、iPhone 4に話を戻そう。 この携帯もアンテナ構造は前と変わらず携帯の底部にある(このブログ記事ではWiFiやGPSのアンテナについては触れない)。 iPhone 4のステンレスフレームにはスロットが2つ、左右対称についている。このスロットをショートする、つまり手でカバーすると、アンテナの性能が落ちる(YouTubeで見つけたこの動画を参照されたい)。これを回避する方法はない。これはデザインの妥協であり、こんな妥協を強制したのはFCCとAT&Tの要件、Appleのマーケティング部門、Appleのインダストリアルデザイナー、その他大勢である。

PC Magazineの記者は果敢にも、こう聞いてきた。「ポケットに携帯入れてBluetoothでハンズフリーにしたら、軽減するんじゃないですか?」  よくぞ聞いてくれた。答えはYES。ある程度は軽減する。

初代iPhoneは明らかにアンテナ下の面が導電式になっていた(あまりにも小さいので、これを「接地板」と呼ぶのは躊躇われるが)ので、ポケットに入れてスクリーンを体に向け、アンテナを外向きにしながらBluetoothのイアピースを使うと、手で携帯持つより状態は良くなる。実際、私は車に乗る時はiPhoneをダッシュボードの上、ワイパーの下に、スクリーンを下に伏せて置き、Jawbone(ハンズフリーのツール)を使ってるのだが、最高だ。(ただし、iPhoneが左の尻ポケでイアピースが右耳だと不具合も。これは2.4GHzで体内を通過する際に電波が減るBluetoothシステム側の処理の問題であって携帯の問題ではない)

iPhone 4は、しかし、アクションを背面からサイドに移動した。これで放出パターンの等方性はたぶん改善するが、改善するのは携帯を空中に魔法のように支えた時だけ。だから、あんまり助けにならない。それにiPhone 4をポケットに入れると、初代モデルより少し余分にエネルギー(電磁波)が体を通過してしまう(これ読んでるあなたも所詮は塩水袋だからね)。うん、たぶん悪化するというのが私の予想だ。

じゃあ、iPhoneラブな人はどうすれば? 私も自分のドルで投票したよ、初代買い替えようと思ってiPhone 4は注文したんだ。iPhoneで「Vulcan Antenna Grip(バルカンアンテナ握り)」は習得済みだし、今のモデルは擦り切れるまで使ったからね。

それに、アンテナは最高じゃなくても、間に合うなら、それで間に合うし。

UPDATE:
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