October 19, 2007

パソコン創世「第3の神話」:What the Dormouse Said

Yesterday, my friend, Hiyama from Asahi, told me that he is now reading a book his colleague has just finished translating. It's John Markoff's "What the Dormouse Said."

You can listen to Markoff's interview here, in which he talks about how he came up with the idea. It's just amazing that he interviewed approx. 100 people from pre-historic age of PC revolution.

Below, I included the video of Doug Engelbart's 'Mother of all Demoes and Jefferson Airplane's White Rabbit (Lyrics) that Markoff obviously took the title from.

Trying to grab what the book is all about, I came across the recent interview of Doug Engelbart who is currently working at Logitec HQ. That's 5 min. from my home...

「マウスはLSDから生まれたとか、そういう本を読んでるんですよ」

朝日からスタンフォードに来てる桧山氏が昨日やや興奮気味に教えてくれたのが『パソコン創世「第3の神話」』(原書:John Markoff著「What the Dormouse Said」)。「翻訳者は職場の同僚でして」という。

パソコンの歴史書は普通、MITS社Altair('75発表)、アップル、IBM…で始まる。「ゲイツがアップルのコピーなら、ジョブズはゼロックスのパロアルト研究所(PARC)のコピー」と言う人も、PARCがどこから来たかまでは知らないことが多い。本書は、そのPARC創立メンバーたちに離反された悲劇の天才ダグ・エンゲルバート(Doug Engelbart)と同時代人をメインに取り上げた本だ。

マウス、ハイパーテキスト、カット&ペイスト、テレコン、動画カンファレンス、メール。パソコンの原型はアルテア発売遥か以前にこのエンゲルバートが既に実現していた。以下はそれを披露した1968年12月9日サンフランシスコ・コンベンションセンターで行われた「The Mother of All Demos(伝説のデモ)」。


Doug Engelbart: The Demo, December 9, 1968, SF Convention Center


氏がなぜ「悲劇」なのか? これは、山田祥平氏のPCWatch掲載記事「マウスの父、ダグラス・エンゲルバート氏インタビュー」を読むと少し分かる(この記事の「運命的な光景」の項は必読)。

早すぎた天才エンゲルバードは100人分の不運を背負って生きた。金の卵になるはずのマウスの特許はスタンフォード研究所(SRI)が勝手にアップルに二束三文でライセンスするわ、パソコン馬鹿売れ前夜に特許は失効しちゃうわ('87)、ベトナム終戦で研究予算切られるわ、門下生には見捨てられるわ、家は焼けるわ…。

ところで原題「What the Dormouse Said」のDormouse(ヤマネ)は「不思議の国のアリス」に出てくるヤマネ。LSDでトリップすると不思議の国そっくりになるってよく言うけど、「そんなもの読ませといてドラッグやるなはないでしょう」と笑ったJefferson Airplaneの歌「White Rabbit」の歌詞から来ている。異様なサウンドだ。歌詞はここ

本の原作者のジョン・マルコフ氏はパロアルト育ちのNYタイムズ記者で、執筆動機を語った昨年のインタビュー(録音)で、「1999年のディナーからこの本のアイディアは生まれた」と話している。

そこにはエンゲルバートと彼に関わった人たちが集まっていた。ワインを傾けながらディープな話を聞き、自分の通っていた高校のすぐそばでそんなことが起こっていた事実に打たれ、「技術の順序はともかく“社会の流れ”で追ってみたいと思った」。で、インタビュー100本なんだもん、すごいすごい。そういう人たちから生きてる間に肉声を聞いて回っただけでも偉大だわ。

このブログの最初のエントリでも触れたように、パーソナルコンピュータは、FREEDOM叫ぶばかりで何一つまともなものは残さなかったかのように見える50-60年代カウンターカルチャーが残した遺産。映像や文章でしか知らない時代の話だけにこういう本は貴重だね。

Update:
So, it might as well have been 'Engelbart's Law'?  Tom Foremski asked Moore the very question at Homebrew Computer Club reunion (2005, Xerox PARC).  トム・フォレムスキ記者が2005年ホームブリュー・コンピューター・クラブ同窓会でマルコフ氏の講演を聞いた時のによれば、あの「ムーアの法則」もエンゲルバートが4年前に講演で話した法則をムーア氏が広めたものなんだって! 一度車で隣り合わせた時にマルコフ氏がムーア氏本人に聞いたら、その講演は「自分も聞いていた」と認めたらしい。そ、それで…? なんでムーアは自分の名前で法則が広まるのを黙ってみてたん?…と聴衆が耳ダンボになったところでマルコフ氏はスッと別の話題に移ってしまったので、真相は闇の中だけど。

2 comments:

Penguin naoki said...

タイトルのDormouseですが、
エンゲルバート=マウスってこともひっかけてるのかな、と思いましたw

satomi said...

あ、そっか。ウィンドウも「hole」って呼んでたみたいですよね…意味深だわ。w

Post a Comment