"he and Joyce Carol Oates must be the two most famous writers-who-run, no?"-Jenny Davidson
"he" is Haruki Murakami, and you can read full interview on Runner's World.
On upcoming Easter Monday (04.17.), the Marathon Man runs the Boston Marathon (course map), confirmed Yoshio Osakabe of "Haruking on Foot."
The Haruking on Foot is a mailing list for die-hard fans hoping to run after Haruki 26.2 miles. The photo below, for example, is from the Tateyama Marathon in 2000. Haruki is running a step ahead of a Haruking member at 40km point. They're stalking! I know, but stalking for 26.2 miles is quite something. Click here to view more images of Haruki running in major races.
This time no Haruking member is showing up the event, but if you see an Asian guy on 50s leading a bunch of runners for no obvious reason, that's gotta be Haruki (His bib is 19404). Cheeeeeer him up!!!
写真上はMIT転居前の村上春樹氏を取材した米誌「ランナーズワールド」のショット。フルサイズの画像とインタビュー全文はこちら。
「走るので有名な作家2人と言えば彼と、あとはジョイス・キャロル・オーツじゃない?」-NYの作家J.デイビッドソン女史はブログでこう記事を紹介した。氏のことを”マラソン・マン”と呼ぶのは知っていたが、まさかそんな横綱クラスの定位置を確保していたとは!
「走るんだがや」*の刑部義雄氏によれば氏は17日のボストン・マラソンにも出場を予定している。エントリー番号は19404(コース地図)。
原稿流出事件の騒ぎも一段落。日本語の読めない友達がイロイロ知りたがるのでイロイロ読んでいたらこんな放談(2003年)にクロスした。そうか、「スキャンダラスな午後」って安原顕氏の命名だったんだ。書いてる浅田彰氏本人が「訳の分からないタイトル」って、それじゃあ、もっと訳分かんない浅田コラムを訳分からないなりにタイトルに釣られて読んでいたワタシは一体…! 時間泥棒め。
因みに対談相手の田中康夫氏(主著「なんとなく、クリスタル」 )は生前のヤスケンを見舞った折、
お前さんは、物書きとしちゃクソだけど、知事としては「『脱ダム』宣言」だの不信任だのと見事なストーリーテラーだなと労われたという。葬式では涙が止まらなかった。
本当は村上氏もこんな風に言って欲しかったんじゃないかな。
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「肉体が変われば、文体が変わる」-これは「村上春樹は何故走るのか」を特集したブルータス1999年6月号のカバータイトル。
ランナーズ・ワールドはスポーツ誌だからだろうか?英語でインタビューに答える村上はまるで屈託がなく無防備、飾らず構えず言いたいことを言いたいように語る健康なオヤジである。
ランナーズ・ワールド掲載インタビュー(抄訳)
何故走るのか?始めたのはいつ?
走り始めたのは作家になってから。何時間も机に座りっ放しでは体も鈍るしすぐ太る。それが22年前で禁煙も兼ねて始めた。作家になって前より健康になったのは僕ぐらいじゃないかな。お陰で体重は昔のままだよ。それまでは深夜のジャズバーが仕事場だっから「これからは徹底的に健康な生活を送ってやろう」って決めた。5時起床で、ひとっ働きして走る。それはかなり新鮮なことだったね。走るのは好きだったから日課にするのは苦じゃなかった。ランニングシューズさえあればどこでだってできるし相手も要らない、一人が好きな自分にはピッタリのスポーツだった。
どれぐらい走る?
週6日60km、1日平均10kmが目標。レースが控えてなければ自分のペースで走る。最近はトライアスロンも始めたから水泳と自転車が入った分、走るのは週せいぜい3、4日。
引っ越し先のボストンでは既にマラソンは経験済み。普段は大体どの辺りを走っているのか?
ボストンマラソンは過去6回出走した。マラソンの魅力は沿道の美しい眺めと温かい声援。個人的にはボストンが一番魅力的だ(NYも違った意味でエキサイティングだが)。苦労するのはペース配分。スタートして暫くは下り坂が続くので全然スピードが掴めない。何度走っても「今の走りだ!」ということがないんだよ。どんなに苦しくてもゴール後、リーガル・シーフーズで茹でハマグリ(cherrystones clamのこと)つまみながらサミュエル・アダムスを飲む時の気分は最高に幸せだね。前はチャールズ川沿いをよく走った。冬は寒いけど大好きなコース。
世界の中ではどこを走るのが好き?その理由。
そう聞かれて思い出すのはギリシャの小さな島に住んでた頃のことだ。走るのは島中探して僕一人。なもんだから走っていると決まって誰かに呼び止められるんだよ。「なんで走ってんの?」「体に悪くない?」「ちょっと寄ってオウゾ(食前酒)1杯やってかない?」あれは面白かったなあ。
「海辺のカフカ」執筆中も走っていたようだが、走りながらプロットや台詞は考える?執筆への影響。
走る時は何も考えないようにする。実のところ頭の中は空っぽだ。空っぽにすると突然何か自然にひらめいて執筆のアイディアになることもあるけど普段は何も考えないで心をリラックスさせて休める。執筆で高ぶった神経をクールダウンするために走るという感じ。
音楽はジャズ?それとも何か別のもの?
走る時はロック、リズムはシンプルなものに限る。例えばCreedence Clearwater Revival、John Mellencamp、The Beach Boys。100kmの大型マラソンで一度モーツァルトの魔笛を頭から通しで聴いてやろうという誘惑に駆られて試したがコースの途中で挫折した。どっと疲れるんだよ。オペラはランニング向きじゃない。
NY再挑戦に意欲を示しているが、NYの良い点と悪い点とは?
NYマラソンには3回出場した。大都市を2本の足で気の済むまで眺められるのが醍醐味。個人ベストタイムを出したのもNYだ。難点は厳寒の木枯らしの中、ブルブル震えながらスタートラインに長時間待たされること。
年1回のマラソンをこなしてもう20年以上になるが今後も続ける予定?走ることで自分はどう変わったのか。
可能な限り続けたいよ。タイムは落ちても、もう人生の一部だから。22年間走ってきて何が嬉しいって自分の体をリスペクト(尊ぶ/大事に思うこと)できるようになったことだ。これはとても重要なことで自分の体をリスペクトできれば人に対しても同じことができる。もっと地上の多くの人がこの気持ちを共有できたらテロや戦争はきっと無くなるはずなんだ。残念ながらそれほど単純な話ではないが、それぐらいのことは僕にも分かるよ。フィクション作家にとって最も大事な資質は想像力、知性、フォーカスだろう。しかし、これを一定の高水準に維持したいと思うなら体力の維持をないがしろにはできない。体力が磐石でないと複雑で骨の折れることは成し遂げられない、そう思う。走っていなかったら文体も今のそれとは大分違ったものになっていただろう。
(追記:単語1個削ると文章1個、段落1個に影響するので思ったほど削れなかった…ごめんなさい!)
*「走るんだがや」会:マラソンで村上氏を42.195km追走することを主な活動とするメーリングリスト。写真右上は2000年館山マラソンのものだ。左が村上氏、右が会員。今回のボストンはどうやら見送りらしい。マラソン中の氏の写真がもっと見たい方はこちら。(この記事を読んだジェニー・デイビット女史よりメール。「serious high-speed stalking」とウケてくれた。「短編にしたら面白そう」ということで、「(書くなんてどこにも書いてないが)作品化の暁には入手先を是非!」とすかさず念押し。だって”走るんだがや”をモデルにしたショートがアメリカ上陸!なんてことになったら楽しいですもんね)
[Image top: courtesy of Runner's World]
初めまして。
ReplyDelete久浩といいます。
ご訪問ありがとうございました。
記事、興味深く拝読いたしました。
村上氏は例の原稿流出事件後はノーベル文学賞の”前哨戦”と言われているフランツ・カフカ賞を受賞しましたね。
前にもノーベル文学賞候補と騒がれましたが、今回はどうなるんでしょうね。
ボストンマラソン、今年で110回ですか。最近、ボストンマラソンを扱った「リトル・ランナー」という映画を見ましたよ。
はじめまして。ボストンが「最古の市民マラソン」というのは貴ブログで初めて知りました。ワタシも車のない金門橋を一度走ってみたいのでSFマラソン目指して走ってますけど(言うのは簡単)「うずまき猫のみつけかた」、読んでみますね。リトル・ランナーもまた観てみよ…
ReplyDelete経済紙ホスポダージュスケー・ノビニは「村上氏は(ノーベル文学賞授賞式が行われる)スウェーデン行きの航空券を手配しなければいけないだろう」と伝えた。((共同:産経)-期待が高まりますね。
はじめまして。
ReplyDelete先日はトラックバックありがとうございました。今日はボストンマラソンの日です。ほんのちょっとの時間ですがうちの近くもコースになっているので見に行く予定です。毎年びっくりするくらいの参加者がいるので村上さんを見つけるのはかなり大変だと思いますが、運良く見れたらいいなと思っています。
おっと~ロケハンもバッチリですね。今頃は…(笑)「ボストンマラソン部」設立おめでとうございます。ボストンはSFと違ってタイムで足切りのある楽しいレース。ご報告楽しみにしております:)
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