January 15, 2015

「テロリストは全員イスラム教徒」の嘘を数字で検証:Are All Terrorists Muslims? No



Dean Obeidallah debunks the myth on The Daily Beast.

When I saw Charlie Hebdos attack, the first thing that came into my mind was Anders Breivik, the Christian terrorist who killed 77.  I was wondering how the number stands between Islamic vs non-Islamic terror attacks.  Now I know.


Are All Terrorists Muslims? It’s Not Even Close

by Dean Obeidallah, The Daily Beast


- in Japanese

「イスラム教徒が全員テロリストと言ってるんじゃないですよ。だけどテロリストは全員イスラム教徒じゃないですか」―何度この言葉を耳にしたことだろう。

Fox司会のBrian Kilmeadeも言った(動画上0:39-)し、週末にはテロの"専門家"のSteve Emersonが「英バーミンガム市はイスラム教徒だらけで他教徒を締め出している」とデマを言って謝った。Foxだけなら「所詮は視聴者の頭を悪くすることしか考えていないような局だからなあ」と受け流すこともできるが、常識人の中にもこういうことを言い出す人がいるのは、困ったものだ。

この言葉の後に彼らは決まってこう言うのだ。「なぜキリスト教徒、仏教徒、ユダヤ教徒のテロリストはいないんでしょね?」

確かに、イスラム教徒でイスラムの名のもとに凶悪犯罪を起こす人はいる。われわれイスラム教徒から見たらあんなの信仰でもなんでもない、ただの政治活動なのだが、そうは言ってもイスラムはイスラム、否定はしない。

でも、これを書くとショックかもしれないが、欧州・米国でテロ行為を働く人間の大半はイスラム教徒以外の人なのだ。

知らないのはあなたが悪いのではない。マスコミのせいだ。

少し興味をもった人のために数字を少々並べてみよう。まずヨーロッパ。過去5年間に起こったテロ攻撃のうちイスラム教徒による犯行は何%だと思う? 正解は2%未満である。

ユーロポール(欧州警察機構)が昨年発表した報告で書いてるように、欧州のテロは分離主義グループによる犯行がほとんどだ。たとえば2013年ヨーロッパで起こったテロ攻撃は152件で、うち「宗教的理由」による犯行はたったの2件。逆に民族国粋主義や分離主義思想の者による犯行と断定されたものは84件にものぼった。

具体的にどういう犯行のことを言ってるのかというと、たとえばコルシカ島のフランスからの国家独立を求める「コルシカ民族解放戦線(FLNC)」、ここは2013年12月、フランス国内2つの市で警察署に同時爆破テロを仕掛けている。2013年後半ギリシャでは極左の革命的人民闘争軍が、右派政党「黄金の夜明け」の2人を射殺した。イタリアでは「無政府主義者連盟(FAI)」が記者に爆弾を送るなどのテロ攻撃を繰り返した。いちいち書いたら枚挙にいとまがない。

こういう事件は果たしてニュースになっただろうか? おそらくなってない。犯人がイスラム教徒だったら? マスコミは報じたのか? 答えは、言わずもがなである。

2011年にはアンネシュ・ブレイビクという男がノルウェーで77人を殺害し史上最悪のテロ犯罪と騒がれた。犯行声明で彼は反イスラム、反移民、「キリスト教のヨーロッパ」支持の立場を明らかにしたが、これがアメリカでどれほど報じられただろう? もちろんニュースにはなった。だが、イスラム教徒のテロリストだったらあんな扱いでは済まなかったはずだ。アメリカではブレイビクが「キリスト教徒のテロリスト」だと書くだけで怒り出す人までいた(例: Foxニュースのビル・オライリー)。

仏教徒のテロリストはいるのか? いる。ミャンマーでは過激派の仏教徒がイスラム教徒を殺し、何ヶ月か前にはスリランカでイスラム教徒の家や店が放火されイスラム教徒4人が殺害された。

ユダヤ教徒はどうか? 2013年に米国務省がまとめたテロの報告書によると、イスラエル人入植者によるテロ犯罪は399件という話だ。俗に言う「プライスタグ」攻撃で、ユダヤ教テロリストがパレスチナ市民を襲って93名が負傷、多くのイスラム教礼拝堂とキリスト教教会が荒らされた。

米国もヨーロッパ同様、イスラム教徒によるテロ犯罪の割合いは少ない。FBIが1980年から2005年までの間に米本土で起こったテロ犯罪を調べてみたところ、94%はイスラム教徒以外の者による犯行だった。42%は南米移民系グループで、続いて24%は極左翼による犯行という。

2014年ノースカロライナ大学が行った調査では、9/11同時多発テロ後、イスラム教徒が関与するテロリズムで亡くなったアメリカ人は累計37人。同じ時期に殺人事件で亡くなったアメリカ人は19万人にものぼる(PDF)。

2013年にはテロリストより幼児に殺される確率の方が高かったぐらいだ。この年ボストンマラソン爆破テロで亡くなったアメリカ人は3人、幼児に銃の誤射で撃たれて亡くなったアメリカ人は5人だった。

これが実態なのに、マスコミは非イスラム教徒のテロの取材にはまったくやる気を示さない。なぜか? ビジネス上の判断だ。恐ろしい「他者」を報じる方が受けはいい。善と悪の戦いで、アメリカ人は善、肌の茶色いイスラム教徒は悪、という構図の方が受け入れやすいからに他ならない。

昔はマスコミも、堕胎反対で産婦人科医院を襲撃する人々のことを「キリスト教徒のテロリスト」ときちんと報じていたものだが、最近はとんと聞かなくなった。アメリカの産婦人科は5軒に1軒の割合いで襲撃されているというのに。これも受けが悪いのだろう。結局ここは「キリスト教国家」。国内の敵に目を向けざるをえないニュースを不快に思う人も多い。下手するとチャンネルを変えてしまうからね。

アメリカでは1日30人が銃で殺され、家庭内暴力で1日3人の女性が殺されている。こういう話もあんまり多くは報じられない。これも同じ理屈による。逆にあの恐ろしい褐色のイスラム教徒による凶行をどう阻むべきなのか、という話になると専門家がとっかえひっかえ出てきて口角泡を飛ばして激論を交わす。しかし現実にはイスラム教徒より冷蔵庫が倒れて死ぬ確率の方が高いのだ。

僕はこの記事でマスコミのビジネスモデルを変えようなんてこれっぽちも思ってない。読んだ人の中から「テロリストが全員イスラム教徒というわけでもないんだな」と気づいてくれる人が出ればそれで。 実は本当に小さな割合なので。イスラム教過激派の脅威を無視しろと言ってるんじゃないよ。冷蔵庫にも気をつけようね、と言いたいだけ。


related: Muslims and Latinos much more prominent in TV crime news than in real-life crime イスラム教徒による犯罪のテレビ報道、発生率の割に多め―米調査

UPDATE: 乱文直しますた。汗

0 comments:

Post a Comment