「罪を償った人の犯罪歴は履歴書に書かなくていい」という考えが主流の欧州で、ネットの「忘れられる権利」が5月に法廷で認められた。
これを受けて、グーグルが6月末から削除要請フォームを公開し、検索結果から外す作業を開始したところ要請が5万件も殺到、パラリーガルを大量に雇って対応に大わらわという。
削除されたメディアからは早速、反発の声もあがっている。
例えばBBCは、メリルリンチを破たん寸前に追い込んだスタン・オニールCEO(当時)の2007年の記事が削除され、削除されたことを世界中に触れ回っている*。まあ、メリルリンチはバンクオブアメリカの救済合併で450億ドルの公的資金を注入してやっともった会社だから氏は公人みたいなもの。確かに消すべきじゃないよね。
一方、ザ・ガーディアンには今朝、記事6本を削除したことを伝える自動通知メッセージが届いた。3本は引退したスコットランドのプレミアリーグの審判Dougie McDonaldが試合でペナルティを認めた理由について嘘をつき辞任に追い込まれたという2010年の記事で、あとはポストイット戦争、詐欺裁判、同紙メディア批評家の評論1週間分。
どれも削除理由がよくわからない記事ばかりだが、「なんで?」と思っても、報道機関側から異議申立てする方法はない。これじゃあ忘れてもらいたい記事はなんでも削除要請して検索結果から消えてしまうのでは…と記者が心配してるよ。
因みに欧州版でヒットしなくても、米版Google.comで「Dougie McDonald Guardian」で検索するとばっちり表示されるし、人名を外して「Scottish refree who lied(嘘ついたスコットランドの審判)」とかで検索すれば欧州版でもまだヒットするらしい。なんかマヌケ。
*UPDATE: 削除要請したのは記事のコメント主であり、スタン・オニール氏ではないことが判明した。これもえらい迷惑な話だな…誰の削除要請かぐらい通知に書くべき。
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