The Falling Man (c) Richard Drew - AP |
これは9年前の今日9:41:15am、NY世界貿易センター北棟を飛び降りる男性の姿をAP報道写真家リチャード・ドリュー氏が捉えた「フォーリング・マン(落ちていく男)」。
北棟の爆発炎上は8:46am。南棟倒壊は9:59am。
12枚ある中の1枚。ストンと落ちたように見えるが、他の写真では風圧でバランスを失い、両手を泳がせ、宙返りしている。翌12日NYタイムズのp.7などにシンジケート配信され、この日の恐怖と絶望、生と死を象徴する写真となった。
WTCを飛び降りた人は約200人。退路を絶たれ火炎を逃れる道が他になかった状況に鑑み、NY市検死局では9/11死亡者全員を「他殺」と断定。「自殺者(Jumper)」とは認定していない。
これを「飛び降りをなかったことにする態度」、「事実と向き合わないといけない」なんて精神カウンセラーみたいなこと言う人がいるけど冗談じゃない。あの日は全米と世界中が飛び降りる人たちを生中継でなす術なく見守っていた、なかったことになんかできるわけない。「自殺は罪。地獄に堕ちる」という宗教に配慮しただけだと思うよ? 遺族があれを自殺と認めるわけがない。あの朝も最後の最後の瞬間まで彼らは生きたいと願っていたはずだ。
写真の男性は身元不詳だが、おそらく背格好と服装(毎日着ていたオレンジの下着が他の写真に映っていた)から最上階レストラン「Windows on the World」の音響エンジニアのジョナサン・ブライリー(Jonathan Briley)さん(当時43歳)ではないか…と言われている。
父親は牧師で「苦しみを乗り越えろ」と人に説教するのが仕事だが、「自分のこととなるとそれができない」として、取材には応じていない。
亡くなられた約3000人全員のご冥福をお祈りします。
Jonathan Brileyさんは1:00:06-
9/11 Falling Man(邦題:フォーリング・マン 9.11)
2006年英TV局が製作した76分のドキュメンタリー。監督はアメリカ人ヘンリー・シンガー、撮影はNYリチャード・ヌメロフ。4:53に出てくるのが最上階レストランのシェフ長のMichael Lomonacoさん(この日は遅刻して九死に一生を得た)、8:43はこの写真を撮った報道カメラマンのRichard Drewさん。批評1、2、 3。
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