April 11, 2009

デザインは新聞を救える?:Can design save the newspaper? Jacek Utko on TED



Paper is like a canvas that carries stories in different forms, colors, and tastes. And, Yes, design is the main thing that motivates me to keep subscribing to the paper.  Inspiring story by Jacek Utko.

「世界で最も優れたデザインの新聞がポーランドとエストニアにあるなんて誰が思う?」―と語る元建築家Jacek Utko氏は、2004年ワルシャワのビジネス紙「Puls Biznesu」にアートディレクターとして就任し、経営陣と事業目標を話し合って紙面レイアウトを刷新、部数を飛躍的に伸ばし、世界で最も優れたデザインの新聞に贈られるSNDアワードを受賞した人だ。

今は「Bonnier Business Press」のアートディレクターとして東欧・バルト諸国の新聞を担当。2007年にもエストニアの「Äripäev」紙でSNDアワードをとっている。

デザインは、紙で購読する最後の理由、かもね。新聞がカンバスなら、写真と活字とチャートは絵の具。「新聞ではない、ポスターだ」と言ってるのが印象的だ。

[抄訳]

新聞は死にかけています。理由は;
・読者は昨日のニュースと広告読むのに金は払わない。
・ラップトップとiPhoneの方がニューヨークタイムズ日曜版より扱い易い。
・木は切り倒さない方がいい。

新聞の未来を語るシナリオも、あります。;
・無料 ・タブロイド ・ローカル ・ニッチ ・オピニオン指向でなくてはならない。
・朝食で消化できるものにすべき(通勤後は携帯・ノート・その他になるので)

でも時間稼ぎというだけで、長い目で見れば、新聞が生き残れる実際的理由は何ひとつないのが現状です。じゃあ、どうすれば…? (会場笑) 

僕の話をしましょう。

20年前に創刊し、中央・北ヨーロッパ一円に進出した新聞がありました。スタッフは経験豊かだったけどビジュアルに関しては文化(素地)も予算もディレクターもなかった。そこにディレクターとして入ったのが僕です。それまでは建築家でした。

一度おばあちゃんに「なにして暮らしてるんだい?」と聞かれ、「新聞のデザインだよ」と答えたら、「なんだって? デザインするものなんて何もないじゃないか。つまんない活字ばっかりで」と言われたんですよね(会場笑)。でも彼女の言う通りで、僕もだいぶフラストレーション貯まってました。

そんなある日、ロンドンでCirque du Soleilのパフォーマンスを見て、ハッと啓示を受けたんです。この連中、あんな薄気味悪い曲芸を、考えうる限り最高のパフォーマンスアートに高めてる…オーマイガー! これは僕も早速あのクソ面白くない新聞で同じことやってやらなくちゃ、と。

で、実行に移しました。ひとつひとつ、リデザインを。1面は僕らのシグネチャー(トレードマーク、看板)になりました。それはとても親密で私的な、僕が読者と繋がるチャンネルです。

これは僕のアーティスティック・ステートメントであり、現実の解釈なんです。僕はポスターを作ろうと思ったんです。新聞とか雑誌とかじゃなく。ポスターをね。

それはひとつの実験でした。タイプ(フォント)、イラストレーション、写真。みんなで楽しんで作った。すると結果が出始めたんですね。ポーランドでは僕らのページは3年連続で年間賞を受賞しました。[...] ここで見せてるのは、ラトビア・リトアニア・エストニアの新聞ですが…。

僕らの新聞作りの秘訣は「新聞全体をひとつの作品、ひとつのコンポジションとして扱う」ことです。音楽のように。見開きのページもひとつに扱う。

これで世界最高のデザインの新聞に選ばれました。さらに素晴らしかったのは部数で、ロシアでは1年で11%、2年で19%、3年で29%伸び、ポーランドも1年で13%、2年で22%、3年で35%伸び、ブルガリアに至っては100%も伸びたんです。その背景にはデザイン以外の努力もあります。

機能がコンテンツなら、フォルムはデザイン。デザインを建て直すには、まずビジネスのゴールを理解し、それに応じてコンテンツの戦略を考え、2ヵ月置いてデザインに着手しなきゃならない。最初は上司も驚いてましたよ。「どうしてこんなビジネスの質問ばかりするのだ」と。でもやがてこれが新しいデザイナーの、最初から最後まで関わっていく仕事の進め方なんだと理解してくれました。

この経験で得た教訓。

1. デザインは変えることができる。製品だけでなく、ワークフローも、ブランディングも、会社も、自分自身もすべて変えることができる。

2. 小さな貧しい国の、退屈な支社で、予算もスタッフもない、そんな僕のような状況でも、仕事はやりようによっては最高のレベルに高めることができる。誰でも。インスピレーションと堅い決意さえあれば。□

TED [Utko.com]

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