"We Chinese don't cut our hair for the first three days of Chinese New Year," said Tony who takes care of my hair. I asked him why, and he said, "Because they believe if you cut your hair, you lose your fortune.... You lose money."
Was Jan. 29th, the first day of the Year. There was no other customer but me. Getting a little uneasy, I asked him, "Then how come it's open today?" Then he said,
Suuuure.
"...so, if I stayed there one more night, I would have died," said Tony, clearing the hair from my shoulders. "Some sink, some survive. It's all about luck."
Leaving the salon, I looked down my watch. I was there only for 20 min. (If you wanna know more about boat people, read here.)
KOBUHEI HAYASHIYA
(courtesy: japan-zone.com)
Was Jan. 29th, the first day of the Year. There was no other customer but me. Getting a little uneasy, I asked him, "Then how come it's open today?" Then he said,
"We opened it ALL FOR YOU!!"
Suuuure.
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When I first visited his salon, he asked me what I do, letting me sit down. As he found out I write things, he unfolded his own story, cutting my hair.;Before coming to the States, his family was in Vietnam. During the war against China, things were getting messy, so they decided to take the last chance to get out of the communist-controlled nation. They paid significant amount of bribe to the goverment officials to get them a boat. The old boat was packed with 100+ Chinese riches.
As they sailed away, pirates came over to shoot them. Chinese refugees kept all their valuables with them and they were the best target. Tony, then 14 yrs old, heard a lot of such stories as other boats being attacked, refugees killed and ripped by pirates. The unsettled sail lasted for weeks.
When they finally found the dock, the boat was attacked one last time, and this time they got four bullets on below deck. They stuffed the holes to keep the water out, and on the fourth day, they landed.
It was a morning after when Tony saw the boat sink.
"...so, if I stayed there one more night, I would have died," said Tony, clearing the hair from my shoulders. "Some sink, some survive. It's all about luck."
Leaving the salon, I looked down my watch. I was there only for 20 min. (If you wanna know more about boat people, read here.)
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I liked the way he cut, so I referred my neighbor, Shizuka, to him. In Japanese, Shizuka means 'tranquility' or 'calm', and she is by no means 'shizuka.' This outspoken Shizuka was the first to call him KOBUHEI, because he looks like the Japanese traditional entertainer(below).
We loooove KOBU-chan.
We loooove KOBU-chan.
KOBUHEI HAYASHIYA
(courtesy: japan-zone.com)
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ワタシの行きつけの美容師は中国系、名をトニーという。近所のうるさい静香は愛情込めて彼を「こぶ平」と呼ぶ。言われてみれば師匠(↑)に瓜二つなのだ。
1月29日は中国暦で元旦。髪を切りに行くと、店の片隅で店員さんたちがたむろってドンブリと札ビラで賭博に興じているほか客足はない。うおっ、ラッキー、貸切りだ、貸切り!! 喜び勇んで席に着くとケープを回しながらトニーはこう言う。
「中国では正月3が日は髪切らないんだよ、悪運呼ぶからね。迷信だけどさ。みんな髪切るとビンボーになるって信じてんだよ」
これでフロアが閑散としている理由は分かったが、何かひとつ腑に落ちない。
「じゃあ、なんでお店開いてるの?」
もう切り始めているトニーに向かって試しに聞いてみた。
するとこぶ平のヤツ、両手広げてこう言うのだ。
「ああ、君が来ると思って開けといたんだ。貸切りだよ、貸切り!うはははは」
うりゃ~、ワタシに(これ以上)貧乏になれってか?!
(チョキチョキチョキ…)
トニー「ココ来る前はね、ベトナムいたんだ、そう華僑。でも戦争が始まっちゃってさ、中国が相手だから危ないでしょ、逃げることに決めて家財道具売って、うんと賄賂掴ませて共産政府にボート用意してもらったんだ。そりゃ、もんのすごく払った。その割には出てきたのはボロボロのボートでさぁ……あ、後ろはパーマんとこ全部切っとくよ」
ワタシ「OK」
トニー「…1艘に100人以上は乗ってたかな。なにしろ金目のものは全部持ってるだろ?海賊の格好のターゲットなんだ。海に出るなり襲って来るんだよ」
ワタシ「あー海賊といえば日本人が誘拐されて大変だった。まだいるんだね」
トニー「いるもなにもライフル平気でぶっ放してくる連中さ。どこから入手するか分かんないけど、持ってる武器がすごいんだ。俺はまだ14歳だった。殺されたり身ぐるみ剥がれたり、それは怖い話はいくらでも聞いたさ。で、何週間も何週間もボートに揺られてやっと港が見えてきたところで、また襲われた。今度は船底に4発当たって穴が開いたんで、もう、みんなで慌ててボロきれ当てて交代でがんばってさ……前髪梳いとく?」
ワタシ「え?ああ…テキトーでいいよ」
トニー「そう。…で、やっと4日目に上陸できた。そしたら朝になったら船が沈んでやんの。あのままもう1晩遅かったら俺も海に沈んでたってこと。さすがにその時は血の気が引いたよね」
ワタシ「……」
トニー「沈んでたらココにもいなかっただろうし、まあ、全てのことはLUCKだね。沈む船、沈まない船。それを分けるのはLUCKさ。…はい、出来上がり!」
店を出て時計を見るとまだ20分しか経っていなかった。
1月29日は中国暦で元旦。髪を切りに行くと、店の片隅で店員さんたちがたむろってドンブリと札ビラで賭博に興じているほか客足はない。うおっ、ラッキー、貸切りだ、貸切り!! 喜び勇んで席に着くとケープを回しながらトニーはこう言う。
「中国では正月3が日は髪切らないんだよ、悪運呼ぶからね。迷信だけどさ。みんな髪切るとビンボーになるって信じてんだよ」
これでフロアが閑散としている理由は分かったが、何かひとつ腑に落ちない。
「じゃあ、なんでお店開いてるの?」
もう切り始めているトニーに向かって試しに聞いてみた。
するとこぶ平のヤツ、両手広げてこう言うのだ。
「ああ、君が来ると思って開けといたんだ。貸切りだよ、貸切り!うはははは」
うりゃ~、ワタシに(これ以上)貧乏になれってか?!
***
トニーに話を戻す(戻ってるって)。初めて彼のお店に行ったのは1年前。ワタシがライターだって聞くと、「ふぅ~ん」と言いつつ彼はこんな話をしてくれた。(チョキチョキチョキ…)
トニー「ココ来る前はね、ベトナムいたんだ、そう華僑。でも戦争が始まっちゃってさ、中国が相手だから危ないでしょ、逃げることに決めて家財道具売って、うんと賄賂掴ませて共産政府にボート用意してもらったんだ。そりゃ、もんのすごく払った。その割には出てきたのはボロボロのボートでさぁ……あ、後ろはパーマんとこ全部切っとくよ」
ワタシ「OK」
トニー「…1艘に100人以上は乗ってたかな。なにしろ金目のものは全部持ってるだろ?海賊の格好のターゲットなんだ。海に出るなり襲って来るんだよ」
ワタシ「あー海賊といえば日本人が誘拐されて大変だった。まだいるんだね」
トニー「いるもなにもライフル平気でぶっ放してくる連中さ。どこから入手するか分かんないけど、持ってる武器がすごいんだ。俺はまだ14歳だった。殺されたり身ぐるみ剥がれたり、それは怖い話はいくらでも聞いたさ。で、何週間も何週間もボートに揺られてやっと港が見えてきたところで、また襲われた。今度は船底に4発当たって穴が開いたんで、もう、みんなで慌ててボロきれ当てて交代でがんばってさ……前髪梳いとく?」
ワタシ「え?ああ…テキトーでいいよ」
トニー「そう。…で、やっと4日目に上陸できた。そしたら朝になったら船が沈んでやんの。あのままもう1晩遅かったら俺も海に沈んでたってこと。さすがにその時は血の気が引いたよね」
ワタシ「……」
トニー「沈んでたらココにもいなかっただろうし、まあ、全てのことはLUCKだね。沈む船、沈まない船。それを分けるのはLUCKさ。…はい、出来上がり!」
店を出て時計を見るとまだ20分しか経っていなかった。
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