December 10, 2006

ジェームズ・キムの死:James Kim Remembered

(courtesy of SF Chronicle: Click to enlarge)

黄:林道先で遭難 /青:上から衣類が点々と残っていた(一番下が遺体発見現場)

AP reported that some online map might have led him to take fatal turn, but it turned out they were not using a computer in the car. If there was anything to be blamed, that's the gate lock a vandal had cut, but it happens all the time. All the details are so familiar. This could happen to anybody. Cell phone signals and footsteps James left helped rescue his beloved ones, while he, obviously disoriented, ended up so close to his families. "His father, an executive of an aerospace corporation, was able to get a satellite moved in space to help find his son," reported Michelle Quinn on SJ Mercury.

今日も朝から雨だ。オレゴン南部の雪山で先月25日に遭難し11日目に遺体が発見されたCNetシニアエディター、ジェームズ・キムさん(35)のことを、またつい考えてしまう。

この1週間の報道合戦で耳にした人も多いと思うが、キムさんはケーブルのTechTVでガジェットの紹介をしていた人。生前の様子は転職先のCnetの追悼記事でご覧いただける。

旅先で海岸の宿泊先に向かう途中、林道に迷い込んで遭難。燃料と食料が底をついて7日目、救助を求めるため妻と娘2人(7ヶ月、4歳)を車に残して外へ出たジェームズさんは、そのまま帰らぬ人となった。残された家族はジェームズさんの残した足跡が手がかりとなって4日無事救出。ジェームズさんは約25km歩いて渓流に足を滑らせ脱水症状のまま息絶えた。渓流を下れば町に至ると判断したのだろうか。やり切れない話である。

事実経過(Wikipedia):
  • 11/25(土)9:00pm - 主要道I-5沿道のデニーズで夕食を採って南下の途中、州道42号出口をおりそこねたキムさん一家は、そのまま88km南下して林道23号(ベア・キャンプ・ロード)経由で臨海101号に出ようとする。
  • 10:30pm - 天候悪化。23号の途中で進めなくなりI-5に戻ろうとするが、そこで誤って通行止めの林道に迷い込み24km先で雪にタイヤがはまる。上の地図のオレンジから黄、これがそのフェイタル・ターンだ。入り口にあった通行止めのゲートは誰かのいたずらで開いていた。問題のゲートは23号入り口。「誰かのいたずら」ではなく土地管理局(U.S. Bureau of Land Management:BLM)職員が開放していたことが後の調査で判明した
  • 11/26(日)1:30am - 車内の携帯がメッセージ受信、最寄りの中継タワーに受信記録が数秒間残る。
  • 2:00am - エンジンを切って就寝。夜間の降雪で車は雪に閉ざされる。
  • 11/30(木) - 同僚がサンフランシスコ市警に失踪届けを提出。
  • 12/2 (土)7:45am - 7日目、ジェームズさんは焚き火をおこして「1時までには戻る」と言って歩き出すが、考えていた距離(6.4km)より実際の町はもっと離れていた(22.4km)。
  • 12/4 (月)1:45pm - 携帯受信ポイント周辺を捜索していたボランティアのJohn Rachor氏のヘリがジェームズさんの足跡を発見。それを辿って車の遭難場所を割り出し救助ヘリに通報、家族は無事救出。
  • 12/6 (水)2:00pm -ジェームズさんの遺体発見。

二人が迂回ルートに選んだ23号は冬場は地元の人が避けたがる難所。これを迂回の近道と推奨するオンライン地図を見たのでは?とAPは報じたが、後の遺族の証言で遭難時パソコン(3台あった)は使っていなかったことが判明している(ネット地図の情報は即時更新された)。

遺体発見の第1報(MSNBC)には水曜正午までに100万PVが殺到し、追悼サイトjamesandkati.comには何千通というメールが寄せられた。Cnet日本語版ブログではFirefox開発者ブレイク・ロスの追悼文をもって総括にかえている。

アメリカでは深夜の雪道で道を1本間違えると本当に“神隠し”のように下界と閉ざされてしまうことがあって、誰にでも多かれ少なかれこれに近い経験はある。誰がそこにいてもおかしくない、という点で今回の遭難事故は多くの人の共感を呼んだ。

自分は水も食料もガソリンもない車の中で赤ちゃんに母乳を与えながら9日間、待てるだろうか? 7日間飲まず食わずの衰弱し切った体で深雪の山道を25km 歩いたジェームズさん。遺体が見つかった場所は食料の備蓄がふんだんにあるロッジから11kmと離れていなかった。身を切る渓流に仰向けとなったジェームズさんは最期に何を思ったのだろう?

家族は捜索ヘリ4台を雇い、航空宇宙関連の企業で幹部を務めるジェームズさんの父親は大気圏外の衛星から息子の居場所を探そうとしたらしい(サンノゼ・マーキュリー)。

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2 comments:

ちゃめ said...

 この事件は知っていたのですが、亡くなった方のことはこの記事を読むまで、全く知りませんでした。
 冥福を祈りたいですね。

satomi said...

救助された家族の写真です。

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