May 22, 2006

コルベアの何が事件だったのか:Followup on Stephen Colbert



As the news finally landed in Japan, everybody is still wondering who brought Stephen Colbert in the White House Press Dinner. Pop Occulture is dealing with this very question, and one comment suggested that he was invited by "a high up in the AP (who introduces him at the speech)." I wonder what happened to him..

My friend calls him his "hero." ...Hero because he didn't relent. He did what he does on daily basis. Seattle PI agrees with him.

Googleのスピーチ動画|事実経過(maclalalaweblogg|Seven Degrees)
町山氏blog|アンカテblog

スピーチ(拙ブログ詳細)を誰が頼んだか?の部分だが、Pop Occultureのコメントによると「AP上層部(宴会で彼を紹介した人物)」らしい。彼の番組を見たら似非右翼の人格ってことぐらい誰だって分かるので、「テッキリ本物の保守と勘違いして頼んだ」というお粗末な話じゃなさそう。

コルベアは左派報道コメディ「Daily Show」のジョン・スチュアート(John Stewart:下の動画のヒト)と並ぶ国民的コメディアンだから、頼む相手として不足はない。唯一の計算違いは国家権力の中枢に呼び込んでまでコルベアがコルベアをやるとは誰も思わなかったこと。要は「余興のツマ」ぐらいに軽く見くびっていた。

ところが、コルベアはコルベアであることをやめなかった。ガードの固いキャピタル・ヒルには飛んでも跳ねても届かない国民感情、それがコルベアという”トロイの木馬”に乗って地上最高の権力者の膝元までシズシズと潜行し、真正面からドーッと放水を浴びせた。

そこには譲歩もなければ失速もない。批判に耳を貸さないブッシュもこの時だけは逃げ場を失い、椅子に括りつけの格好で(ここが笑えるらしい)、ありとあらゆる6年の罪科を聞かなくてはならなかった。そして返す刀でマスコミも同罪だと斬り捨てた、と、そこが事件なわけだ。

面白いvs.面白くない、というのは、ブログの後追いを余儀なくされたMSMサイドのトンチンカンな言い訳を当てこすった横道の話であって、本当にみんなの心を打ったのは権力に拠らず彼がお馬鹿のフリしてコメディアンの筋を通したところ。それまでモヤッと形を帯びてこなかった物事が、まるで霧が晴れるように見えた。そういうマジックを起こしてくれる人のことをアメリカ人は「ヒーロー」と呼ぶ。

ジョークの好き嫌いは分かれても、その「胆力」だけはアンチ・コルベアも認めざるを得なかった。
昨日iTuneからリリースされた音声版($1.99)は現在トップ独走中。(E&P)

関連
Gawker Poll: Stephen Colbert, Hero or Doofus? - Gawker:5月2日の世論調査では87.9%(9,701票)の人が「これまで見た中で最も愛国心のある行動だった」と評価、「そんなに面白くなかった」は12.1%(1,341票)。
Popping Off: Why Stephen Colbert is my hero
AlterNet: Stephen Colbert: New American Hero

【おまけ】
● コルベアって何者よ?
コルベア(41歳)は仏ボルドー地方出身。幼少の頃から学校から帰ると毎日親の野良仕事を手伝って育った。父の山羊チーズの商売が破綻しボートでアメリカに。仏語訛りで繰り出す持ち前のギャグが友達の間で評判になりNYのコメディ・クラブでブレイク、というのがColbert Reportの設定。もちろん全部デタラメだ。ウハハ!(TIME.com)

現実の彼は、南部サウス・キャロライナ州の11人兄弟の末っ子。「南部には賢い人も大勢いるんだけどTVでアホな役っていうと決まって南部訛り。アホに思われるのは嫌だったから訛りは小さな頃に捨てた」。'74年飛行機墜落事故で父と兄を失った当時10歳のコルベア少年は、それを境に「全てどうでも良くなってしまった。普通に暮らしてる友達とは違う現実を生きていた。で、偉い人の言うことをスンナリ鵜呑みにすることができなくなった」(動画インタビュー→CBS News, 04.30.2006)

● Truthinessとは?
コルベア流風刺のコア概念。Colbert Reportの昨年10月17日初回生放映の直前に思いつき、「本当の真実とは違い、”真実であって欲しいこと”。事実がどうあれ正解っぽく見えること」と番組の中で定義した。政治と報道はTruthiness製造マシーンというんで、アメリカ方言学会が選ぶ2005年新語大賞受賞。

● 彼が演じる似非右派キャラ
善意の人、知ってる情報はとても限られている。社会的地位の高い大馬鹿者。

Remember last year when Laura Bush ruled the White House Correspondents' Association dinner? Here's the clip on that. ジョン・スチュアートとスティーブン・コルベアのツーショット動画↓ 昨年の晩餐会でブッシュ夫人が「ジョージは馬から乳を搾ろうした。しかも馬は雄だった」と会場を笑いの渦に巻き込んだ時の映像で始まる。親子2代、奥さんには恵まれてるブッシュ一族であった。


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2 comments:

ちゃめ said...

 めちゃ面白かったです。
 この事件(?)、良く知らなかったのですが町山氏の投稿を読んで、理解し、大笑いしました。
「圏外からの一言」、「アンカテblog」としてリニューアルしてたんですね、これも知りませんでした。
 しかし、晩餐会でニュースが盛り上がるところ、やはり日本とは違いますね。
 コルベアさんのようなスタイルのコメディアンも、日本人ではあまり見ないタイプですね。
 
 YouTubeのような音声や画像ネタを見ると、ディスカバリーチャンネルがやっとのリスニングスキルを、鍛えたくなりますね(笑)。

satomi said...

アレ見て「ほめ殺し」って言葉が浮かぶ町山氏はやっぱ天才ですよね。氏の不幸は人気があり過ぎて、思ったことそのまま書いてるだけなのに無批判に引用・転載するファン全員の重荷を全部背負わなければならないことかなーと、まだブログを知って数ヶ月だけど見ていて思いました。

アンカテblogのコメントのmunaguruma氏(むなぐるま保管庫、結構面白そう)がピッタリ影法師のようにマークしてるのが妙におかしかったです。こないだ書いた集団知の話にあるDevil's Advocateだ!集団が賢くなるには無批判な同調者より厳しく反証を試みる人が必要なんだそうです。ワタシも皆さん言いたいこと言えるように批判精神忘れずにやってこうと思いましたよん。

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